高速デジタル網を用いた分散高精度時刻/周波数同期

概要

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分散システムにおける高品質連続メディアのデジタル処理には高精度の時刻同期および周波数同期が不可欠である。通常、計算機内の時計は、ある瞬間の絶対時刻を与えてやると、その瞬間から内部の水晶クロックなどを使用し、経過時間を計ることによって各時点の時刻を計測する。ここで、絶対時刻を合わせることが時刻同期であり、経過時間を測定するためのクロックの周波数、すなわち時刻の進む速度を合わせることが周波数同期である。周波数同期は、連続メディア処理においてメディア・ストリームの生成および再生レートを同期させるために必要であり、時刻同期は、異なるメディア・ストリーム中のデータの時刻的な位置関係を決定するために必要である。広域分散環境の時刻同期技術としては、専用のハードウェアを使用する方法とソフトウェアのみによる方法に分類することができる。GPS(Global Positioning System)やJJYなどの電波を使用する方法などのハードウェア型は、NTPなどのソフトウェア型に比べて高い精度が実現できる反面、高いコストが必要であり、また電波を用いる方法では受信安定性の面でも問題があった。またNTPによって実現できるのは時刻同期のみであり、周波数同期を行なうことは容易ではない。広域分散環境の周波数同期技術としては、MPEG規格に定められている方法やqueueing feedback方式がある。これらの方法では、point-to-point、point-to-multipointおよびmultipoint-to-pointなどのすべての通信形態を可能にするとことができない。さらに、MPEG規格の場合には、ジッタが1ms以上になるとクロックを回復することが困難であることがわかっている。我々は、既存の周波数同期技術がもつ問題点を解決するために、これまで高速デジタル網を用いた周波数同期方法を提案・評価してきた。本報告では、この方法で周波数同期を行なっている計算機間で時刻同期を行なう方法の提案・評価について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20

高速デジタル網を用いた分散高精度時刻/周波数同期

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