QoS 制御技術の統合化方式とその効果
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概要
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WAN 環境では, トラフィックを入力する際に正規化しても多くのルータを経由する間に遅延分散が大きくなるため, 待ち行列遅延が発生しやすい. そこで, マルチホップ環境にも対応可能なトラフィックシェーピング, パケットスケジューリング手法が求められている. [figure] これを実現するためのアプローチについてはいくつか考えられる. 図1(a)は Parekh(1992)による, トラフィックを入力する際にリーキーバケットつきトークンバケット手法で正規化するアプローチで, 重み付け公平待ち行列法 (Weighted Fair Queueing: WFQ) と組み合わせることによって遅延上限値を保証できる. しかしながら, 実際のネットワークを流れるトラフィックは実時間連続メディアのように高優先度と広帯域の両者を必要としたり, 仮想端末のように高優先度を必要とするが帯城保証の必要はなかったり, ファイル転送やネットワークマネジメントのように高優先度を必要としないが公平性を必要としたり, とさまざまなQoS (Quality of Service) 要件を持つ. 一方, Parekhによるアプローチでは WFQ によって公平性を保証できるが優先度が考慮されていないため, これらの Qos 要件のすべてに同時に対処できない. 従って, WFQ と優先度制御を組み合わせること(以後, PWFQ と呼ぶ)が必要になる. しかしながら, トラフィックを入力時にのみ正規化する(a')では(a)同様, 遅延分散を小さくすることはできない. そこで, ルータごとにトラフイックを正規化し, PWFQ を実行するアプローチが考えられる. しかしながら, 優先度制御では高優先度のトラフィックでバーストが発生するため, 高優先度のパケットがシェーピングによって廃棄される. (b)では前段のシェーピングでトラフィックを正規化しても後段の PWFQ でバーストが発生するためにその次のシェーピングで高優先度のパケットが廃棄される. 同様に, 図1(c)では前段の PWFQ でバーストが発生するために後段のシェーピングでバケットが廃棄される. 従って, トラフィックシェーピングと PWFQ を別々に実行する方式ではなく, 統合的に実行する方式が必要になる. これを実現するために, 筆者らは優先度制御, Time Window, Packet Spacing, Work Conserving/not Work Conserving, Virtual Clock などの既存のトラフィックシェーピング, パケットスケジューリング手法を共通のパラメータで制御可能にするフレームワークを提案した.パラメータの共通化によってマルチホップ環境に対応可能で, また, 多くの手法を実装しているため多様な QoS 要件にも対応可能と考えている.
- 1997-03-12
著者
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