エージェントネットワークsociaの能動的視覚機能
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概要
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計算機ネットワーク利用者を支援するエージェントに視覚機能を持たせ,エージェントに利用者の挙動を把握させることを試みる.電子会合支援を例にとると,視覚機能を有するエージェント(以下,視覚エージェントと呼ぶ)は,把握した利用者の存在や挙動を基に,会合への参加・不参加,また参加中の会合の中断や終了を管理する.本論文では,人物を対象とする視覚機能として,顔領域の探索・追跡および動きの判定などの画像処理技術を提案する.図1に視覚機能の構成要素間の情報の流れを示す.顔領域の探索により,存在確認を行ない,.追跡処理に移る.追跡処理からは,動作理解を行なう.各処理に失敗すれば,前段階の処理に戻る.顔領域の探索手法は,多数報告されているが,本システムでは,定性的特徴モデルとのマッチングを基本とした手法を用いる.定性的特徴モデルに基づく手法では,以下のような手順で顔を検出する.まず,サンプル顔領域を縦10横7ブロックに分割し,これらのブロック毎に次の特徴量L_<face>(i),E_<face>(i)を求める.L_<face>(i)=NL_<face>(i)/m(輝度成分)(1)E_<face>(i)=NE_<face>(i)/m(エッジ成分(2)ここで,NL_<face>(i),EL_<face>(i)はそれぞれ領域中の平均輝度成分,エッジ成分より大きい画素数,iはブロック番号,mは1ブロックの全画素数である.エッジ成分はソーベルのオペレータを用いて求める.この操作を複数のサンプル顔画像に対して行ない,それらの平均を特徴モデルとする.入力画像中の顔領域の探索においては,様々な大きさの領域を入力画像に対し走査させ,モデル作成時と同様の特徴量を求める.その特徴量をモデルの分布とマッチングさせることにより,その領域の"顔らしさ"を計算し,この値が比較的高い領域を,顔候補領域とする.以上の定性的特徴モデルによる探索は,表情や撮影条件の変化に対して頑強であるが,物体の形状に関する解析を行なっておらず,顔検出の安定性に欠ける.また,会合システムのように限られた使用状況のもとでは,動きなどの情報を基に認識率を向上することができる.そこで,本稿では,定性的特徴モデルに基づく手法に以下の2点の改良を加える.i)エッジ形状による判定ii)顔の動きによる判定さらに,顔領域の追跡を行ない,動作理解の機能を実現し,会合システムを支援する.
- 1995-03-15
著者
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