事象連鎖と事象の背景を構築するプランナの概念辞書への適用
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概要
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本研究の目的は, 概念辞書構築において, 文脈理解を可能にする事象概念の記述方法を明らかにすることである. ここで文脈理解とは, 文章中に現れた全ての事象を含む一つのネットワークの作成とする. 文脈理解を可能にする方法として, 概念辞書中の事象概念に関する部分に, 因果関係に基づいて事象を結び付ける機能を備える必要がある. しかし, 事象概念各々に, その機能を記述することには, 大変な労力を要する. そこで, 個々の概念より抽象的なレベルで分類し, 分類毎に事象連鎖を自動作成する機能を備えるべきであると考えた. 分類にはAbelsonらの状態とそれを変化させる行為(デルタアクト)を使用する. これに基づくプランナを作成し, プランナがプラン構成する際にSchankの因果リンクを自動生成するようにした. 一方, 研究を進めるうちに, このプランナは, 各事象の周辺である非常に近い背景部分にしか, 因果リンクを作成せず, 事象同士が島になったままというリンクの存在も明らかになった. これを解決するために, 各事象に固有である特殊なリンクを作成する"(デルタアクト)プランナを補助するコーザルリンカ"をプランナに統合することを考えた. これらを概念辞書に統合することで, 文章中に現れない事象周辺の背景と文章中に現れる全ての事象を含むネットワークを作成する概念辞書ができるとした. 以上を本稿で述べ, それを昔話に適用した実験も付す. なお, 本プランナに関してはヒューリスティクスを用いていない.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07
著者
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