並行言語NET/CのNative実行系の実装

概要

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並列処理への期待が高まりつつある現在、使いやすく効率のよい並行オブジェクト指向言語が求められている。一般に並行処理においては、排他制御など処理の依存関係の制御が必要とされ、プログラムが複雑になりがちである。また、マルチプロセッサなどの環境を生かした効率的な実装を行おうとすると、システム特有の機能を用いるために汎用性が失われてしまう傾向がある。並行言語NET/Cはストリーム通信を基本とすることにより、制御の流れの明確化を図り、並行プログラムをUNIXプロセスのパイプによる連結処理のように簡潔に記述できることを特徴としている。また、仮想マシン(VM)方式でNET/Cコード生成部とVM実行部を切り放すことにより汎用性を得ている。しかし、VMのインタプリート実行はスピードを要求される処理には不向きであり、高速な実行系が求められていた。本研究では、NET/CコードをC言語にトランスレー卜し、マシンにNativeなコードを生成して実行させることでNET/Cの高速な実行を可能にした。2節でNET/C の概要を述べ、3節でNET/Cの効率化の考察、4節でNative実行の評価、5節でまとめを述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-03-06