カラマツ根株心腐病罹病木樹幹内に生息する菌類のin vitro における木材成分資化能力
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概要
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カラマツ根株心腐病に伴う菌類遷移に関与する菌類の木材成分資化能力をin vitroで調査した。それぞれのカラマツ木材成分を添加した化学合成培地上での菌類の生育を調査し, また, セルロースについてはろ紙の重量減少およびセルロース培地の透明化についても調査した。リグニンについては, BAVENDAMM testおよびSUNDMAN and NASE testを行った。根株心腐病に伴うカラマツ樹幹内における菌類遷移のはじめに生ずる非担子菌系糸状菌は, 木材冷水抽出成分(アラビノガラクタン, 単糖類), セルロース, ヘミセルロースの資化能力を有していた。これらの菌類はカラマツ木材ブロックをほとんど分解しないことより, 木材冷水抽出成分を主に資化していると思われる。次に発生する担子菌(根株心腐病菌)は単糖類, アラビノガラクタン, セルロースおよびヘミセルロースを資化していた。その後に続く非担子菌系糸状菌は, 単糖類, 腐朽材冷水抽出成分, セルロースおよびヘミセルロースの資化能力を有していた。これらの菌類が木材ブロックを分解しないことより, これらの菌類は腐朽材冷水抽出成分を主に資化していると思われる。
- 1992-07-01
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