森林所有者に対する補助金等が国民所得に及ぼす動学的複合多部門乗数効果
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概要
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社会的厚生関数の最大化の達成過程を解明するために必要な, 森林所有者に対する補助金等が国民所得に及ぼす動学的複合多部門乗数効果について考察した。この乗数効果は, 各財の今期の総供給はそれぞれの前期の総需要に等しいとした階差方程式により動学的に求めた。林業部門の毎年の生産額は, 転換後の輪伐期に等しい期間で転換を完了するとした場合に定まる木材生産量より推計し, この額を逐一外生的に需給均衡方程式に与えた。考察の結果, 林業部門の生産額の減少による負の乗数効果を考慮に入れない場合, 均衡財政を前提として政府が毎年定額の林業部門の生産物を購入したときの乗数効果は, 支給された額の半分程度が消費に〓されるとしたときの補助金の乗数効果に一致する, これらの乗数値は, 16〜20年後にはそれぞれの定常状態における値の約90%程度にまで収束する, 動学的複合多部門乗数効果については, 課税による負の乗数効果の方が林業部門の生産学の減少による負の乗数効果よりも5〜23倍程度大きい, 等の事実が判明した。
- 日本森林学会の論文
- 1999-08-16
著者
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