林業部門に対する補助金の国民所得に及ぼす多部門乗数効果 : 均衡予算を前提として, 林業部門の生産物を政府が購入した場合の静学乗数
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概要
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一括固定税を課し, これにより得られた税収をすべて, 林業部門に補助金として支給した場合, この均衡予算下の所得の移転策が国民所得にどのような乗数効果を及ぼすかを考察した。課税および補助金の波及効果はいずれも瞬時に完了するものと仮定し, この二つの静学乗数を46部門産業連関表による多部門分析法を用いて求めた。補助金が各部門の生産額等に及ぼす影響は, 政府部門が, この補助金と同額の林業部門の生産物を購入する, と仮定して考察した。考察の結果, 1)課税が国民所得に及ぼす負の乗数効果は, 林業部門に対する補助金が国民所得に及ぼす正の乗数効果よりも大きい, 2)林業部門に対する補助金の乗数値は0.9〜1.2程度である, 3)林業部門に対する補助金の乗数値は, 46の各産業部門に対する補助金の乗数値の中で最も小さい, 等の結果が得られた。
- 日本森林学会の論文
- 1997-05-16
著者
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