林齢に沿った林分構造と冠雪害の関係 : 56豪雪福井スギ人工林
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概要
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1980年12月末に北陸地方を襲った豪雪によるスギ人工林の冠雪被害地で林齢に沿った林分構造の違いと被害形態との関係を調べた。すべての林齢を通して幹の折損部直径はほぼ7〜20cmの範囲内にあった。したがって折損高は樹高に比例して高くなる傾向を示した。それに対して枝下高は樹高に対応した変化が少なく, 折損高は枝下高に対して樹高が大きいほど高い位置に, 樹高が小さいほど低い位置にみられた。これによって折損位置の基本的決定要因は幹の太さであり, 枝下高との位置関係でないことが明らかになった。径級の小さな個体でも曲がりの被害率は小さく, 折損の被害率が圧倒的に高かった。上層木の被害率は小さく, 中, 下層木の被害率が高かった。小径木の折損被害率の高いこと, 下層木の被害率の高いことは気象条件の厳しさを示す尺度といえそうである。折損部位から被害木の回復や利用歩留りを判断すれば長伐期が有利といえる。また豪雪の降りやすい所での間伐は下層間伐が望ましい。
- 日本森林学会の論文
- 1987-03-25
著者
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