枝下形状比の雪害対策への応用
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概要
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枝下形状比=枝下高/胸高直径は以下のような検討の結果, スギ冠雪害の危険を判断するうえで重要かつ実際的な林分指標であることが立証された。(1)福井地方における胸高直径10〜20cm, 密度1,300〜2,900本/haのスギ林分では, H_B/D=0,92H/D-34.21という関係が成立し, H_B/D≦30の個体は昭和55年末の冠雪害激害時に安全であった。ただし, H_B : 枝下高, H : 樹高, D : 胸高直径。(2)北陸・関西地方の2,000本/haのスギ閉鎖林7林分では, 樹冠長が約8mで一定であった。このような樹冠長一定の閉鎖同齢林では, 単に計算上H_B/DがH/Dの代用となりうるばかりか, H_B/Dのほうが測定容易という指標としての好適な条件を備えている。(3)立木密度別の直径-枝下高曲線図を利用すれば, H_B/Dを臨界値以下に導くための枝打ち, 除間伐の計画が簡単にたてられる。
- 日本森林学会の論文
- 1984-01-25
著者
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