生長錐による直径生長の予測について
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概要
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本研究は, 生長錐によって過去の直径生長を実測し, それから将来の生長を推測する場合に, その精度を高める方法についてのべたものである。本研究に用いた資料はアカマツ28本の樹幹析解から得た168組のデーターである。いま, ある時点から過去5年間の胸高直径生長量をy, さらにそれより過去5年間の生長量をx, ある時点から将来5年間の生長量をzとした時, 上記資料から最小自乗法によりz cm=0.7018+0.6356 y cm(1)を得る。この式はz=y(2)とは推計学的に差があることが証明せられるから, 過去5年間の生長量を実測して, それをそのまま将来5年間の生長量の推測値とすることには疑問がある。つぎに同一資料を用いてy cm=0.9132+0.5739 x cm(3)を得るが, 両式の常数および回帰係数に有意の差が無いから, (1)式の代りに(3)式を用いることができる。すなわち(2)式のzはその林分では未知であるが, (3)式のyは求めることができるのであるから, 調査せんとする林分ごとに(3)式を求めその数値をそのまま(2)式にあてはめれば, その林分に対して偏倚のない推定ができるわけである。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1960-06-25
著者
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