プルヌス属の材に含まれるフラボノイド
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
材の含有成分, とくにフラボノイドをとりあげて, これを普通の化学的操作で取出し, 季節変化, 材中の分布をしらべた。これをもとにしてプルヌス属の各sectionあるいは種間の比較をした。この実験によつて得られた結果は次の通りであつた。1. ナリンゲニン, アロマデンドリンおよびその配糖体はプルヌス属の材では基本的な生産物である。2. プルヌス属の5つのsectionはそれぞれ特有なフラボノイドのpatternをもつている。例外としてsubsection Euprunus, Eucerasusがある。3. フラボノイドのpatternによつてsubsection Pseudocerasusは更に3群に分けられる。このうちの第1群に属するものは種に特有なフラバノン配糖体の組合せをもつている。4. leucoanthocyaninとフラバノンあるいはフラボンとの間には量的な拮抗性が存在する。5. フラボノイドの量は辺材の内部に行くにしたがつて多くなる。心材と辺材の境界で配糖体とアグリコンの量比が反対になる。6. ピノセムブリンとその配糖体ベレクンヂンの量が心材で多くなることから, 心材内に生きた柔細胞が存在することが考えられる。
- 1958-03-25
著者
関連論文
- サクラ材の異常成分 : ヤマザクラの材からとれたイゾオリビール
- サクラ属の材成分(第7報) : シオリザクラおよびリンボクの材に含まれるフラボノイドについて
- サクラ材に含まれるフェノール性成分について(林産の部)(第60回日本林學會大會並に第5回九州支部大會)
- マツ類幼苗のガンマ線感受性とその生理的変化(第1報)
- プルヌス属の材に含まれるフラボノイド
- アカマツ種子に含まれる有機酸(第I報)
- ヒノキ葉のフラボノイドについて
- 休眠種子に含まれる加水分解酵素について
- ユーカリの切枝におけるグルコースからリグニンの形成
- 133. 要素欠乏のアカマツ稚苗における光合成産物の分布について(第75回日本林学会大会講演要旨)
- 10 高等植物におけるシキミ酸の代謝
- B. アカマツにおける光合成産物の移動(第5回林木生理シンポジュウム)
- サワラの切枝におけるd-カテキンの変化
- 植物組織に存在するシキミ酸(第3報) : シキミ酸含量の年間変化
- カラスザンシヨウの材に含まれる微量成分
- 光合成関係文献抄録集 東京大学理学部植物学教室内 物質代謝研究会編 (1)1955年度(300円), (2)1956年度(1,000円), (3)1957年度(1,200円), (4)1958年度(1,200円), (以下続刊の予定, 年3回分納も可, 含送料)附録「植物生理化学の進歩」(第1集, 1957)(200円)振替 東京72247番
- 119.キリ実生苗の養成について(第65回日本林学会大会)
- 針葉樹の葉に含まれるフラボノイド(第I報) : サワラの葉に含まれるカテキン及びフラボノイド
- 林木種子の光発芽(第II報) : クロマツ, アカマツ種子の発芽におよぼす光と低温の影響
- 木材のフエノール成分の研究(受賞者特別講演)(第63回日本林学会大会講演要旨)
- 林木種子の光発芽(第I報) : クロマツ, アカマツ種子の発芽の相遠
- 514. カツラ材の辺材と心材のフエノール性物質
- 513. イチヰ材に含まれるイゾタキシレシノールについて
- 102. クロマツ種子の光発芽について
- 植物の受精現象について
- 木材のフエノール性成分(第3報)カラマツ材より得られたフラバノンに就て
- 6 木材のフエノール性成分(第4報) : トガサワラ材から得られたチステイリンについて
- 木材のフェノール性成分(第3報)-カラマツ材より得られたフラバノンに就て-
- 木材のフェノール性成分(1)-ウルシ心材の色素-