コゲイロカイガラタケ及びその近似種に関する研究(第14報) : コゲイロカイガラタケ, ヒロハノキカイガラタケ, キチリメンタケ及びキカイガラタケに対する弗化ナトリウム・ジニトロフエノール系木材防腐剤の影響

概要

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コゲイロカイガラタケ及びその近似種の菌糸の発育並びにスギ侵害に対する弗化ナトリウム・ジニトロフェノール系木材防腐剤の影響を知るために, コゲイロカイガラタケ, ヒロハノキカイガラタケ, キチリメンタケ及びキカイガラタケの4種のほか, 比較としてワタグサレタケを使用して実験した結果, 寒天培養基上における弗化ナトリウム・ジニトロフェノール系木材防腐剤の発育阻止濃度は, コゲイロカイガラタケ及びキカイガラタケでは0.05%, ヒロハノキカイガラタケ0.06%, キチリメンタケ0.07%, ワタグサレタケ0.08%であつた。スギ素材は供試菌の侵害に対して極めて弱かつたが, 開槽法によつて濃度2%の薬液を浸潤せしめたものは充分な防腐効力を示した。しかしそれ以下の濃度では腐朽の進展を著しく抑制はしたが, 腐朽を阻止するには至らなかつた。つぎに加圧注入法によつて濃度1.25%の薬液を注入したものでは, 耐朽力に富み90日後には全然腐朽しないか, 腐朽しても極めて軽微であつた。しかし溶脱操作を行つた場合には, 両者とも薬液が流出して90日後には, かなりの腐朽を示した。
一般社団法人日本森林学会の論文
1958-01-25