ミズナラ交配園における堅果生産過程と堅果生産数の年次変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ミズナラにおける堅果生産の変動要因の解明および堅果生産量を予測する技術を確立するために, ミズナラ交配園を対象に開花後の雌花の結実過程と6年間の堅果生産数の調査を行った。交配園には, 北海道内各地から選抜されたミズナラ62クローンが植栽されている。1993年には, 開花した雌花の6割以上が7月中旬までに落下した。成熟堅果数は7月中旬の幼堅果数との相関が高く, 7月中旬にはある程度堅果生産数を予測できることがわかった。1993年から1998年まで6年間の総堅果数についてクローン間に有意な差が認められた。34クローンで4年以上堅果生産がみられたが, これらの各クローンの堅果生産数の年次変動パターンは, 交配園全体の変動パターンと同調していなかった。クローンの選抜地を北海道の東部および西部のニ地域に分割すると, 地域間のクローンの組合せで年次変動パターンが同調したものは, 同一地域内での組合せに比べ, 有意に少なかった。また, 交配園全体および各クローンの堅果生産数と開花期の降水量との間に相関は認められなかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2000-02-16
著者
関連論文
- ミズナラ天然林の遺伝的構造と近交弱勢による交配実態の推定
- アカエゾマツ精英樹クローンの材質変異
- 炭素固定能の高い品種の創出--アカエゾマツの容積密度の変化及び精英樹家系の成長 (特集 地球温暖化防止と林木育種)
- 幼齢のグイマツとカラマツの種間雑種の成長と材質変異
- アカエゾマツ人工林の成長および容積密度数の特徴--クロエゾマツとトドマツとの比較
- 北限のケヤキ(21 限界地めぐり)
- サクラバハンノキの萌芽特性および集団の動態
- 北海道におけるトドマツのオルガネラDNA多型の遺伝的分化
- さまざまな採種園に植栽されたアカエゾマツ精英樹クローンの成長と材質諸形質の比較解析
- 研究成果及び事業紹介 北海道におけるコナラ属樹種の種間雑種