天然林におけるミズナラ雄花の着生特性
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概要
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本研究は, 天然林におけるミズナラ集団の雄花着生特性の時間的・空間的変異および雄花着生特性と周辺環境との関係を明らかにする目的で行った。天然林内に設定した調査区(3 ha)内のすべてのミズナラ個体について, 1995年から1998年まで雄花着生状況を調査した。4年間を通じて, 毎年全体の約半数の個体が雄花を大量に着生し, 林分としては雄花着生量に年変動は少なかった。しかし, 個体レベルでみると, 雄花着生量の年次間変動は大きかった。900〜3,600 m^2の小区画で, 常に雄花着生の良い個体も常に悪い個体も, それぞれ集中分布する傾向がみられた。常に雄花着生の悪い個体は, 常に良い個体に比べ, 平均胸高直径が小さく, 周囲木の個体密度が高い傾向がみられた。このことから, 光や土壌養分をめぐる競争が雄花の着生に強い影響を与えていることが示唆された。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1999-11-16
著者
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