腐葉土の生産・流通構造と里山利用 : 栃木県を事例にして
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概要
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ホームセンターなどで主に家庭園芸用に販売される腐葉土は,里山やゴルフ場などで採集される落葉を原料としている。栃木県では那須や芳賀地域の里山二次林において,農家による落葉採集が盛んである。このような里山利用と結びついた腐葉土生産は,農用林としての役割が希薄化した里山の保全を考える上で注目できる。聞き取り調査の結果から,落葉採集者の多くが作業に慣れた高齢の農家であること,落葉採集適地は道路が整備された緩傾斜地や平地林など,作業しやすい立地に限定されていることなどが明らかになった。そして,恒常的な里山利用を行う地域住民と利用可能な里山を引き続き確保するのは困難な状況であった。一方,腐葉土の需要が高まる中でゴルフ場や分譲別荘地からの落葉供給量が増加するなど,落葉の供給構造が変化している。里山利用と結びついた腐葉土生産の継続には,採集者と採集適地となる里山の確保のための具体的な対策が急務である。
- 1995-11-01
著者
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