要求駆動型XML処理のスケジューリングおよびメモリに関する効率化(プログラミングモデル・ツール)
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概要
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本論文は, Producer/Consumerスタイルにより要求駆動を実現したXML処理系Nanafusiについて, その効率化手法を述べる.Nanafusiは, 遠隔XMLデータ処理の効率化を目指したJava上の計算環境であり, 要求駆動に処理を行うことで全データの到着を待たずに処理を開始できる.また, 不要メモリを順次解放することでメモリ使用量の削減も可能である.本研究では, スレッドとメモリの両面から, 実行時オーバヘッドのさらなる削減を目指す.まず, データ転送速度に応じたスレッドスケジューリング機構を導入することで, 反応速度を維持しつつ, スレッド切替えのオーバヘッドを削減する.一方, メモリ面では参照管理を改善することで, 世代別GC上での効率的なメモリ資源の回収を達成している.加えて, 実行途上で不要となったProducerスレッドの回収も実現する.本機構の性能評価は, 複数のデータ転送速度で測定され, Producer/Consumer同期を用いた本処理系のオーバヘッドは, イベント駆動で実現された場合に比べて2〜4%程度まで抑制することができた.本実装技法は, 遠隔データを対象としたProducer/Consumer実装に対して効率化を行っている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2005-08-15
著者
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鎌田 十三郎
神戸大学工学部情報知能工学科
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山中 真和
神戸大学大学院自然科学研究科情報知能工学専攻
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鎌田 十三郎
プログラミング研究会論文誌編集委員会
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山中 真和
神戸大学大学院自然科学研究科情報知能工学専攻:(現)日本電信電話株式会社
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