DNA配列の複合モチーフを表現する隠れマルコフモデルの生成
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概要
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我々は, DNA配列群に含まれる複合モチーフを表現する隠れマルコフモデル(hidden Markov model: HMM)の生成手法を開発した. 本手法は, (1)DNA配列群に含まれる要素モチーフを表現するHMM(要素モチーフHMM)を統計解析によって生成し, (2)遺伝的プログラミング(genetic programming:GP)でそれらを組み合わせ, 複合モチーフを表現するHMM(複合モチーフHMM)を構築する. (1)では, 各要素モチーフに対応したleft-to-right型のHMM群を設計する. それらのモデル長は統計的な基準に従って要素モチーフごとに決定する. (2)では,HMMを記述する確率付きの本表現を定義し, GPを用いて木の構造が複合モチーフを表現するように最適化する. 木の非終端頂点には連結, 確率付き選択, 確率付き閉包などが, 終端頂点には(1)で生成された要素モチーフHMMや任意の1文字を表すHMMが割りあてられる. 本手法では, 要素モチーフHMMを事前に生成することやGPと相性の良い確率付きの木でHMMをエンコードすることで, 複合モチーフHMMを効率的に生成することを実現した. ここで生成されたHMMは, 複合モチーフに関する示唆に富んだ知見を提供するばかりでなく,未知のDNA配列において類似の複合モチーフを高い精度で検出することが示された.
- 1999-02-15
著者
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十時 泰
株式会社情報数理研究所
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浅井 潔
電子技術総合研究所, 知能情報部
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石川 幹人
明治大学
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石川 幹人
松下通信
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石川 幹人
明治大学情報コミュニケーション学部
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石川 幹人
松下電器産業(株)マルチメデイアシステム研究所
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矢田 哲士
理研・GSC
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浅井 潔
電子技術総合研究所・遺伝子情報グループ
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十時 泰
株式会社情報数理研究所:(現)理化学研究所ゲノム科学総合研究センター
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矢田 哲士
株式会社三菱総合研究所
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