Botrytis cinerea 培養ろ液におけるマセレーション作用の定性的性質
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概要
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供試の Botrytis Cinerea 10 菌株はいずれもマセレーション酵素作用3種(M-I, M-II, M-III) を構成的に生産する。M-I および M-II はジャガイモ塊茎切片を軟化し, 活性の最適はそれぞれ pH 2.7, 5.5 付近にある。M-III はミツマタ内皮の靭皮柔組織に対し, pH 4.5 付近で特異的に働らく。ペプトン-塩類培地において, 菌株6種では菌体生育の全期間を通じて3作用とも認められるが, 3種では対数期に, また1種では対数期, 停止期に M-II, M-IIIが消失する。この原因は, 各菌株群における酵素生産能の本質的差異によるものではなく, 培養期間中における培地 PH 低下, およびそれにともなう M-II, M-III の不活性化に基因するものと解釈される。供試菌株中最も生産能の高い R-2 菌株について, マセレーション閃連酵素の分泌を調べた。その結果, ペクチンエステラーゼ (活性最適 pH 5.0), エンドポリメチルガラクツロナーゼ (同 3.5, 4.3), エンドポリガラクツロナーゼ (同4.3, 5.5), エクソボリガラクツロナーゼ (同4.3, 5.5) およびセルラーゼCx (同4.5, 6.5) を認めた。ペクチンおよびペクチン酸トランスエリミナーゼ作用は基質含有培地においても検出されなかった。ゾーン電気泳動によって, M-I および M-II はそれぞれ3および2種の区分に分れたが, M-III はつねに単一の区分であった。諸文献記載の本菌酵素作用と本実験の結果とを比較考察した。
- 1969-01-25
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