エンバク葉の冠さび病抵抗性に関与する蛋白合成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
エンバク品種勝冠1号の子苗第1葉における冠さび菌 (Puccinia coronata avenae) 不親和性レース226の発育は, プラストサイジン S (BcS:5×10^<-6>M)を接種12時間後までに茎の切り口から吸収させると親和性レース203とほぼ等しくなった。BcSの影響は吸収開始の時期が接種14時間より遅くなると漸次低減し, 接種24時間から吸収させた場合には全く効果がなかった。レース226接種葉では^<14>C-ロイシンの酸不溶(蛋白)区分へのとり込みが健全葉の1.2〜1.35倍になるが, この増高は, 接種14〜24時間後または14〜18時間後からそれぞれ1または4時間^<14>C-ロイシンを茎の切り口から吸収させた場合にみられた。レース203接種葉における^<14>C-ロイシンのとり込みは健全葉と大差なかった。BcS処理によって, 健全葉, レース226または203接種葉ともに^<14>C-ロイシンのとり込みが顕著に阻害された。以上の結果から本実験系の抵抗反応には接種後14〜24時間の期間の蛋白合成が関与していると推定した。レース226接種葉では, ベルオキシダーゼアイソザイムおよびフェニールアラニンアンモニアリアーゼの活性が増加するが, これらの増加はBcS処理によって低下しなかった。したがって, 抵抗性発現には, これらの酵素以外の蛋白合成が関与していると考えられる。
- 1976-12-25
著者
関連論文
- 冠さび菌感染の抵抗性エンバク葉からの脂質酸化代謝物の単離
- 不親和性冠さび菌感染エンバク葉からのリポキシゲナーゼアイソザイムの単離とその性質
- エンバク冠さび病の抵抗反応初期における微細構造変化 : -とくに勝冠1号-レース226について
- エンバク子苗葉の冠さび病感受性におよぼす温度の影響
- Puccinia coronataの夏胞子堆形成に対するマレイン酸ヒドラジッドの阻害と化学構造
- エンバク葉面における冠さび菌付着器の走査電顕的観察
- さび菌感染に対するエンバク葉の非宿主反応
- 植物のミトコンドリア病の謎に迫る : プロセッシングの有無が宿主特異的ACR毒素に対する感受性のカギを握る
- エンバクのファイトアレキシン・アベナルミンの誘導活性をもつエリシターについて
- Alternaria steviae に起因するステビアの黒斑病
- Septoria steviae に起因するステビアの斑点病
- 健全エンバク葉に存在するさび菌発育阻害物質
- Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの弱病原性菌株によるキュウリ炭そ病の交叉防御
- 芝草に発生する土壌伝染性病害の効率的薬剤防除 : II ベントグラスの葉腐病とダラースポット病
- Botrytis cinerea 培養ろ液におけるマセレーション作用の定性的性質
- 高温ストレスによるエンバクの冠さび病抵抗性誘導
- エンバク冠さび病における菌体と宿主細胞の接触面 : 走査型および透過型電顕による観察
- エンバク冠さび病菌の寄生性に関する病態生理学的研究
- エンバク葉の冠さび病抵抗性に関与する蛋白合成
- (23) エンバク冠さび病罹病葉におけるリボ核酸分解酵素 (関西部会講演要旨)
- ラフレモン(CITRUS JAMBHIRI L.)リポキシゲナーゼ遺伝子の部分配列
- エンバク冠銹病菌夏胞子の発芽管における fusion body 形成
- Puccinia coronata接種のエンバク葉における^32Pの分布および核酸へのとり込みの経時変化
- 明暗下で発芽させたエンバク冠銹病菌夏胞子におけるカロチン含量の比較
- 柿炭疽病罹病果における軟化起因物の粗分離
- エンバク冠銹病菌ならびに竹褥病菌胞子のマンニトール
- 柿炭疽病菌の菌糸体発育に及ぼすPhenol性物質の影響並びに同菌Bavendam反応について
- 柿炭疽病菌の培地上の性質並びに同菌有傷接種による柿果上での病斑進展と分生胞子形成の品種間差異について
- カキ炭疽病の病態生理学的研究,とくに罹病果実の病徴発現にあずかるペクチン質分解酵素の役割
- Puccinia coronata var. avenae 夏胞子の自己発芽抑制物質の生理的特性
- 連作障害発生のメロン栽培土壌における糸状菌
- 蛋白合成阻害剤ブラストサイジンSで処理したエンバク葉におけるさび菌の発育
- 香川のPuccinia coronata f. sp. Avenae生態型226に対するエンバクおよびイネ科牧草の感受性
- Puccinia coronata感染エンバク葉から抽出したリボ核酸のtemplate活性
- 銹菌胞子発芽管の培地上におけるfusion body形成 I
- エンバク冠銹病菌およびスズメノテッポウ銹病菌夏胞子の寒天培地における発芽管伸長とinfection-type structureの形成
- エンバク冠銹病菌夏胞子の発芽管伸長における背日性
- クラムヨモギ菌核病菌のフェノール系物質生成について
- オリーブ炭疽病菌の2,4,5-T或いはMCP添加培養による抗生物質の生成
- 柿炭疽病菌及びスエヒロタケの2,4-D添加培養による抗菌性物質生成
- エンバク葉の切断傷害による抗菌性ステロイドの酵素的活性化
- 植物生長調節物質および抗代謝物質によるPuccinia coronata夏胞子堆の形成阻害
- エンバク冠銹病菌夏胞子の発芽におけるSelf-inhibition
- (40) 冠さび菌に感染したエンバク勝冠1号のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ活性の変化 (昭和51年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (23) 冠さび菌レース226に感染した抵抗性エンバク勝冠1号のポリフェノール酸化酵素 (昭和51年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- エンバク冠さび菌感染葉におけるリボ核酸分解酵素の変化
- (47) エンバク勝冠1号の冠さび菌レース226に対する抵抗反応と蛋白合成 (昭和50年度地域部会講演要旨(関西部会))
- 走査型電子顕微鏡による冠さび菌感染エンバク葉内部の観察 : 試料作製法の検討
- 採種用タマネギに発生した一炭そ病菌の完全時代
- 植物生長調節物質および抗代謝物質によるPuccinia coronata夏胞子の発芽およびinfection structure形成の阻害
- Puccinia coronataに感染したエンバク葉の罹病ならびに抵抗反応にともなう^P-リボ核酸の変化
- 芝草に発生する土壌伝染性病害の効率的薬剤防除 : I 日本芝のリゾクトニア性春はげ症とフェアリーリング病
- Session 3. Pathogenicity and Virulence Factors (Section VI : Physiological Plant Pathology)
- Zoysiaターフに発生するラージパッチの効率的薬剤防除
- ALTERNARIA ALTERNATAに起因するトマト果腐敗と貯蔵条件
- トマトの追熟におよぼすポリエチレンフイルム包装の影響
- Puccinia coronata f. sp. avenae 親和性レースの感染によるエンバク核の in vitro 転写活性増高
- エンバク冠さび菌感染エンバク葉におけるエチレン生成
- カンキツの緑かび病及び青かび病の発病防止に及ぼすソルビン酸カリとチアベンダゾール混用の効果
- 二次元電気泳動法によるエンバク葉の可溶性蛋白質の分離
- 寒地型芝草に発生した2種のピシウム病
- エンバク再生植物体からの病原性毒素ビクトリン耐性ソマクローナル変異植物の選抜
- 芝草病害の総合防除