Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの弱病原性菌株によるキュウリ炭そ病の交叉防御
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの弱病原性菌株によるキュウリ炭そ病に対する交叉防御効果をキュウリ品種四葉, 聖護院節成を用いて調査した。両品種の子苗胚軸切断部より小型分生子(H-F_<cm>)を吸収させ2〜4週間後に第1本葉へColletotrichum lagenarium分生胞子を接種したところ, 対照の水処理区よりも病斑数が減少し, 病斑拡大の遅延が認められた。抵抗性を誘導するためのH-F_<cm>濃度は2×10^4胞子/mlで充分であった。断根接種苗では, 前接種菌は胚軸および不定根にわずかに局在し, 後接種部位である第1本葉では認められなかった。したがって, 胚軸または根部に生存する前接種菌によって全身抵抗が誘導されたと考えられる。H-F_<cm>を振とう培養してえた培養ろ液および出芽胞子の無細胞標品で根部を前処理し, 第1本葉に炭そ病菌を接種すると, 不溶性の細胞壁画分で全身抵抗が顕著に誘導された。本画分は萎凋, 褐変のようなFusarium病特有の障害をおこさないので, 抵抗性の誘導には前接種菌による病徴発現が必要でないと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1981-07-25
著者
関連論文
- (8) エンバクにおける冠さび菌感染及びエリシター処理により誘導されるキチナーゼについて (日本植物病理大会)
- (16) RAPD マーカーによるエンバク冠さび病抵抗性およびビクトリン感受性遺伝子の Pc-2/Vb タギング (関西部会)
- (15) エンバク冠さび病における菌感染部周縁細胞の酵素耐性機構 : 壁結合性ジフェルラ酸形成とパーオキシダーゼの役割 (関西部会)
- 冠さび菌感染の抵抗性エンバク葉からの脂質酸化代謝物の単離
- 不親和性冠さび菌感染エンバク葉からのリポキシゲナーゼアイソザイムの単離とその性質
- (96) エンバク冠さび病抵抗性遺伝子 Pc-2 の発現過程における蛋白質について (日本植物病理学会大会)
- (94) エンバク冠さび病抵抗性遺伝子 Pc-2 のビクトリン感受性と冠さび病抵抗性に対する多面発現性に関する研究 (日本植物病理学会大会)
- (19) エンバク冠さび病における認識機構に関する研究 : (1) 各種多糖類のエリシター活性について (平成2年度大会講演要旨)
- (68) Curvularia spp.による日本芝の葉枯病について (日本植物病理学会大会)
- (16) 胞子発芽時における宿主特異的毒素 Victorin D 産出の確認 (関西部会講演要旨)
- (104) さび菌侵入過程におけるエンバク葉気孔の反応 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (31) 冠さび菌感染エンバク葉より分離した核の性状について (関西部会講演要旨)
- エンバクのファイトアレキシン・アベナルミンの誘導活性をもつエリシターについて
- (34) Alternaria sp.に起因するステビア黒斑病(仮称)について (関西部会講演要旨)
- 特別講演「芝草病害の総合防除」 (〔1996年度 日本芝草学会〕秋季大会/特別講演・シンポジウム要旨)
- Alternaria steviae に起因するステビアの黒斑病
- Septoria steviae に起因するステビアの斑点病
- (50) メタラキシル剤に耐性化したPythium vanterpooliiの培養的性質 (関西部会)
- (77) エンバクのファイトアレキシン・アベナルミンの生成誘導とポリアミン代謝の関係について (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (21) エンバクの再生植物体からのビクトリン耐性植物の選抜 (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- (87) ポリアミン代謝阻害剤のエンバク冠さび菌の感染に対する影響について (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (21) エンバクビクトリア葉枯病菌胞子の発芽液中に分泌するビクトリンについて (関西部会)
- (113) エンバクのアベナルミンに対する各種多糖のエリシター活性について (日本植物病理学会大会)
- (36) Characteristics of a victorin-insensistive variant of oat with Pc-2 gene selected through tissue cluture cycle
- (86) 高温処理によるエンバク冠さび病抵抗性の誘導 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (88) 冠さび菌感染エンバク葉におけるアベナルミン蓄積と菌糸伸長に対する温度とα-aminooxyacetic acidの影響 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの弱病原性菌株によるキュウリ炭そ病の交叉防御
- (10) ゴルフ場のペレニアルライグラスに発生したいもち病菌の由来 (2) : DNAフィンガープリントおよびrDNAの解析 (関西部会講演要旨)
- (85) ゴルフ場のペレニアルライグラスに発生したいもち病菌の由来 : 宿主範囲, 交配能, DNAフィンガープリント型からの一考察 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (29) シバの二核Rhizoctonia AG-D (I) とAG-D (II) のPCR-RFLPおよびRAPD解析による識別 (関西部会)
- (91) ベントグラスの新病害に関する Rhizoctonia sp. の同定 (関西部会)
- (90) ペレニアルライグラスターフに発生したピンクパッチ (仮称) (関西部会)
- (41) ベントグリーンで盛夏に発生する黄化萎縮病類似の新病害について (関西部会)
- (106) ニホンシバに発生する"象の足跡"の病原菌 (日本植物病理学会大会)
- (7) 冠さび菌接種のエンバク葉に生成される2種の抗菌性脂肪酸代謝物質 (日本植物病理大会)
- (80) 不親和性冠さび菌接種のエンバク葉で増高するリポキシゲナーゼアイソザイム2について (関西部会)
- (112) エンバク冠さび菌感染エンバク葉のリピドアシルヒドロラーゼについて (日本植物病理学会大会)
- (111) 不親和冠さび菌感染エンバク葉の酸性エーテル画分中における抗菌性物質 (日本植物病理学会大会)
- 芝草に発生する土壌伝染性病害の効率的薬剤防除 : II ベントグラスの葉腐病とダラースポット病
- (52) HPLCによる冠さび菌感染エンバク葉中性エーテル画分中の抗菌性物質の単離および定量 (平成2年度大会講演要旨)
- (20) エンバク冠さび病の抵抗性に特異的なリポキシゲナーゼアイソザイム1の物理化学的性質および生成物の抗菌性 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (78) エンバク葉中における不親和性冠さび菌の発育促進効果について (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (19) 冠さび菌感染エンバク葉中性エーテル画分中の抗菌性物質とリポキシゲナーゼの反応生成物について (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- (37) 冠さび菌感染エンバク葉における中性エーテル画分中の抗菌活性と抵抗性発現について (昭和60年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (40) 不親和性冠さび菌感染部周縁細胞の非プロトプラスト化現象とアベナルミン蓄積の関係 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (20) エンバク冠さび病における抵抗性発現とアベナルミン産生の遺伝的解析 : (その2) F_3での検定 (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- 高温ストレスによるエンバクの冠さび病抵抗性誘導
- (86) グルタチオンペルオキシダーゼによるエンバク冠さび病の抵抗性の阻害 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (123) エンバク勝冠1号の冠さび病抵抗性およびアベナルミン産生遺伝子の解析 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (238) エンバク冠さび病における抵抗性発現とアベナルミン産生の遺伝的解析 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (65) エンバク冠さび病における気孔下付着物 (SAM) と夏胞子形成との関係 (関西部会講演要旨)
- エンバク冠さび病における菌体と宿主細胞の接触面 : 走査型および透過型電顕による観察
- (51) エンバク冠さび病の抵抗性発現とゴルジ装置の関係 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 19 エンバクの冠さび病抵抗性に関与する化学物質
- (44) エンバク冠さび病の抵抗反応発現時のde novo合成蛋白質について (関西部会講演要旨)
- 2 エンバク冠さび病感染組織より単離されたファイトアレキシンの化学生物学的研究
- (71) 温度変換によるエンバク冠さび病の罹病性の阻害 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- エンバク冠さび病菌の寄生性に関する病態生理学的研究
- (95) エンバク冠さび菌感染による感染部周辺細胞の非プロトプラスト化と細胞壁結合性ジフェルラ酸の関係について (日本植物病理学会大会)
- Puccinia coronata var. avenae 夏胞子の自己発芽抑制物質の生理的特性
- (53) エンバク冠さび菌夏胞子の自己発芽抑制物質の同定 : Methyl cis-3, 4dimethoxycinnamate (関西部会講演要旨)
- (45) 冠さび菌の自己発芽抑制物質SWおよびSIについて (関西部会講演要旨)
- (72) 冠さび菌の自己発芽抑制物質に関する研究 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (79) H-Fcm 細胞壁成分によるキュウリ炭そ病, 同灰色疫病の発病抑制とその機構 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (123) ウリ類の根部および根圏から分離した非病原性糸状菌によるキュウリ炭そ病の交叉防御 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (118) キュウリつる割病菌病原性変異株の細胞壁成分によるキュウリ炭そ病の発病軽減効果 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (73) アベナルミンおよび前駆物質フェニールプロパノイド化合物の抗菌性 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (223) Sclerotinia homoeocarpaの殺菌剤感受性 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (66) さび菌感染エンバク葉におけるリポキシゲナーゼ全活性変化と特異的アイソザイムについて (関西部会講演要旨)
- (73) エンバクの病害抵抗性におけるavenaluminsと26-desglucoavenacosidsの病理学的意義に関する研究 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 走査型電子顕微鏡による冠さび菌感染エンバク葉内部の観察 : 試料作製法の検討
- (41) 非病原性さび菌に対するエンバク葉気孔の応答 (関西部会講演要旨)
- 芝草に発生する土壌伝染性病害の効率的薬剤防除 : I 日本芝のリゾクトニア性春はげ症とフェアリーリング病
- (21) 各種ストレスによるエンバクのアベナルミン誘導初期におけるポリアミン代謝 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (26) エンバク冠さび菌の分化誘導に対する寒天培地条件の検討 (昭和63年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨))
- Session 3. Pathogenicity and Virulence Factors (Section VI : Physiological Plant Pathology)
- Zoysiaターフに発生するラージパッチの効率的薬剤防除
- (63) 高速液体クロマトグラフィーによるアベナルミンの簡易定量法 (関西部会講演要旨)
- (2) インドネシア, ランポン州におけるイネ穂枯れの発生機構 (関西部会講演要旨)
- (105) 冠さび菌不親和性レース感染エンバク葉中の特異的リポキシゲナーゼの精製 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (55) 不親和性冠さび菌感染組織からのプロトプラストの遊離阻害について (関西部会講演要旨)
- (8) アベナルミンの生成誘導機構, とくにポリアミン代謝との関係について (関西部会講演要旨)
- Puccinia coronata f. sp. avenae 親和性レースの感染によるエンバク核の in vitro 転写活性増高
- エンバク冠さび菌感染エンバク葉におけるエチレン生成
- (4) Pythium spp. に起因するコウライシバピシウム病 (新称) (昭和60年度地域部会講演要旨(関西部会))
- (116) エチレン合成阻害剤の処理葉におけるエンバク冠さび菌の初期発育 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (53) さび菌感染エンバク葉における抵抗性発現とリポキシゲナーゼアイソザイムの関連性について (関西部会講演要旨)
- (34) エンバク冠さび菌の気孔侵入時の微細構造 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (31) エンバク冠さび菌感染エンバク葉における脂質過酸化反応について (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (54) エンバク冠さび菌の気孔侵入時に形成される気孔下沈着物 (関西部会講演要旨)
- (38) 電界放射型走査電子顕微鏡によるエンバク冠さび菌吸器の観察 (関西部会講演要旨)
- カンキツの緑かび病及び青かび病の発病防止に及ぼすソルビン酸カリとチアベンダゾール混用の効果
- (52) Puccinia coronata avenaeの吸器細胞壁とextra haustorial膜の電顕観察 (関西部会講演要旨)
- (48) 顕微スペクトル測光法によるアベナルミンの局在性の確認 (関西部会講演要旨)
- 植物の病原微生物感染に対する生体防御
- (31) 冠さび菌に感染したエンバク葉のプロトプラストおよび核の分離法について (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (54) 凍結割断による冠さび菌罹病葉の走査型電子顕微鏡像 (関西部会講演要旨)
- (46) エンバクのビクトリア葉枯病菌の宿主特異的感染とavenaluminおよび26-desgluco-avenacoside生成の関係について (関西部会講演要旨)
- インドネシア・ランポン州における水稲病害の調査-1-雨期における空気伝染性糸状菌病の発生〔英文〕
- (74) エンバクの抗菌性物質avenaluminと26-desglucoavenacosid A, Bの感染部位における局在性 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)