キュウリ・モザイク・ウイルス感染ササゲ葉における過敏感反応時の脂質過酸化反応
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概要
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キュウリ・モザイク・ウイルス(CMV)に感染したササゲ葉では, 感染後8時間以内に急速に遊離基含量が増大する。この感染葉を遊離基の捕捉剤で処理した場合, 局部病斑の形成は著しく阻害された。マロンアルデハイド量も接種後8-15時間以内に増大するが, 感染葉をリポキシゲナーゼの阻害剤であるジブチルハイド口キシトルエンで処理した場合は, アルデハイド含量は著しく低下した。また, ササゲ葉中の脂質の動きをガスクロマトグラフィーで調べてみると, 感染によって不飽和脂質含量は大巾に減少するが, 飽和脂質の含量には全く変化は認められなかった。これらの諸結果は, CMV感染葉で, 感染の極く初期に明らかに脂質の過酸化反応が生起していることを示すものである。更にササゲ葉からの電解質の漏出程度を測定した結果, 感染葉では接種後5時間目頃から急速に漏出の増加がみられたが, 健全葉ではそのような現象は認められなかった。以上のような諸現象を基礎として, 本報告ではCMVに感染したササゲ葉での過敏感反応と生体膜との関係について種々の論議を行った。
- 日本植物病理学会の論文
- 1976-09-25
著者
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