ポプラから分離した白紋羽病菌の in vitro でのゴルでの分生胞子形成と病原性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1984年頃, 香川県坂出市香ノ州工業団地に植栽したポプラ, ネズミモチ, マツ, サツキ, ウバメガシなどの緑化樹木に立枯性病害が発生した。試料としたポプラの根部組織からは白紋羽病菌特有の白い菌叢と菌糸に洋梨形の膨らみをもつ2菌株(84-373; -374)が得られ, そのうちの1菌株が変異し,分生胞子を形成した。PDA培地上の培養菌叢は初め白色, やがて部分的に着色, 約3力月後には, 菌糸塊または菌核とともに, 分生胞子形成を認めた。分生子柄は直立, 褐色, 分岐を繰り返し, 通常高さが500μm以上, 幅が2.5〜2.8μm,各分枝先端の胞子形成部位(通常30〜65μm, 幅が7.5μm)には2列になって2〜30個の分生胞子を密集し形成した。分生胞子は無色, 単胞, 卵形または長楕円形, 3.7〜5×2〜2.2μmである。なお in vitro での分生子柄束の形成は認められない。以上のことから, 本菌は白紋羽病菌(Rosellonia)の不完全世代 Dematophra と同定した。また, 寒天培養覆土接種法により, クロマツ稚苗への強い病原性が確認された。
- 1992-01-25
著者
関連論文
- (68) 多様なイネ籾殻付着菌とその意義(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (106)小笠原諸島のCylindrocladium属菌(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 小笠原諸島のPythium属菌の多様性(関東部会講演要旨)
- (301)ナラタケの根状菌糸束形成と腐朽力に影響する土壌糸状菌
- ナラタケの根状菌糸束形成抑制菌と促進菌(関東部会講演要旨)
- Mortierella alpinaとM. tsukubaensis sp. nov.のPythiumおよびRhizoctonia属菌に対する生物防除資材としての可能性
- (322) 材片で非農耕地土壌から分離したPythiumおよびRhizoctonia属菌とP. sylvaticumなどの病原性 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- 1S04 複合微生物系による環境ホルモンへの新展開
- Sordaria菌の各種土壌病害への生物防除資材としての有効性の評価
- 九州地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布および病原性
- 四国地方の土壌から分離したPythium菌の23菌株の病原性
- 2P-1011 インドネシアと日本における糸状菌の多様性の比較(1a分類,系統,遺伝学,一般講演,遺伝学,分子生物学および遺伝子工学,伝統の技と先端科学技術の融合)
- (305) Lenzites sp.によるイネ籾殻分解に影響する多様な籾殻付着菌(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (446) Lenzites sp. TW99-335菌によるイネの籾殻分解(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 147 オキシゲナーゼ活性を指標とした環境汚染物質分解菌の探索
- 104 白色腐朽菌による反応性染料の脱色と糸状菌による誘導促進
- 745 ラッカーゼのメディエーターの探索 : terremutinについて
- (165) リグノセルロース分解力を有するTrametes TW99-335の選抜とその効力の確認(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (421)Cylindrocladium属菌のリグノセルロース分解力とその生態的意義(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (41)琉球列島と小笠原諸島産のCylindrocladium属菌(関東部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (208)カブ萎黄病発生畑の主な糸状菌と同病害の生物防除の試み(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Pythium myriotylum によるクワイ茎腐病
- (174)Rhizopus oryzaeによる接木クワ苗の腐敗病(新称)
- Pythium myriotylum によるサトイモ根腐病
- 日本で発生したニンジンしみ腐病 (1) 発生, 病徴および分離
- ポプラから分離した白紋羽病菌の in vitro でのゴルでの分生胞子形成と病原性
- 各種シロアリによるリグニンモデル化合物の分解
- モロコシ類の豹紋病菌(Gloeocercospora sorghi)の種子および土壌からの検出とその伝播上の重要性
- (22) キハダの衰退とその稚苗から分離した Cylindrocladium colhounii の病原性 (関東部会)
- (9) キハダの衰退と罹病した実生苗から分離した3種のCylindrocladium属菌 (夏季関東部会)
- (59) ポプラから分離した白紋羽病菌の in vitro での分生胞子形成と病原性 (日本植物病理学会大会)
- (21) ハナミズキ (Cornus florida L.) 枝枯病 (新称) と罹病植物体上の糸状菌相 (関東部会)
- Monosporascus cannonballus Pollack and Uecker のメロンに対する病原性とメロン黒点根腐病
- (115) キハダ由来の3種のCylindrocladium属菌の同定と2, 3の生理的性質 (日本植物病理大会)
- (7) ドミニカ共和国で栽培されているコショウの根と液果上の糸状菌と病原菌の特定 (関東部会)
- (172) Taeniolella phialosperma 菌の生物防除資材としての評価 (日本植物病理学会大会)
- 南近畿地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布
- 北海道地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布
- (191) 寒天培養覆土接種法による各種土壌病害の発生に及ぼすマツオウジ由来の一拮抗細菌の施用効果 (平成2年度大会講演要旨)
- 東北地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布
- 南西諸島の土壌から分離したPythium菌の種と分布
- 四国地方の土壌から分離したPythium菌の種と分布
- (134) Sordaria属菌によるピシュウム病の生物防除の試み (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (28) ヤマザクラ種子を汚染していたPythium carolinianumなど20菌株の糸状菌の病原性 (昭和62年度地域部会講演要旨(秋季関東部会講演要旨)