モロコシ類の豹紋病菌(Gloeocercospora sorghi)の種子および土壌からの検出とその伝播上の重要性
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概要
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海老名市(神奈川県)の畑から収穫したモロコシの種子は, 70%が変色し, 約68%が豹紋病菌(Gloeocercostora sorghi)に感染していた。これらの種子を殺菌土壌に播くと, わずか20%が萌芽し, 萌芽した子苗の約80%が発病した。また健全な種子を, 畑から持ち帰った病土に播いたところ発病はしなかったが, 供試した39個体のうち2個体の茎(地際部)から本菌を検出できたが, 殺菌土からは検出できなかった。この菌の分生胞子は, 培地の影響で大きさや隔膜数が変わった。また20〜30Cの温度で, 胞子の発芽を素寒天培地上(WA)で試験したところ処理後4時間で100%発芽した。培養菌核は, 処理後2〜4日めでWA上では, 96%が発芽し, 22%の菌核上には, 直接スポロドキアの形成が見られた。本菌は, 接種後2時間以内で寄主体への侵入が可能の様で, 24時間後には早くも病徴が現われた。以上の実験結果から, 本菌は, 種子伝染し, 土壌中で存在しており, 植物へ感染能力を有することが明らかである。
- 日本植物病理学会の論文
- 1978-12-25
著者
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