ナス半身萎ちょう病の伝染環および土壌中からの病原菌の検出法
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概要
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ナス半身萎ちょう病の防除対策確立のための基礎的問題である伝染環および土壌中からの病原菌の検出法について検討した。発病株から離脱した落葉上には分生子と微小菌核が形成され,ともに重要な伝染源となる。また発病株の根部にも微小菌核を生ずる場合がある。V. dahliaeの菌糸と分生子は土壌中において短命であり,微小菌核の形態で耐久生存するが,その活性は高温,乾燥の土壌条件で徐々に低下した。病原菌密度の季節的変動は,ナス作付け圃場では栽培期間中に高まり,休耕圃場では夏季に低下した。また土壌中における病原菌数の年次変化は,連作圃場で年ごとに増加するのに対し,1〜2年の休耕によって次第に減少したが,ナスの発病抑制には至らなかった。土壌中からV. dahliaeを検出する方法は,篩別処理および浮上処理の併用によって微小菌核を土壌粒子や植物残渣などから選択分離する手法を考案し,微小菌核検出のための選択分離培地を開発した。この方法では本病自然発生圃場からいずれもV. dahliaeが検出され,また鉢検定におけるV. dahliae検出数とナス発病とは比較的高い相関が認められた。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1989-03-01
著者
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