動的コンパイラのための実行時分岐予測を用いた最適化手法
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概要
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本論文では, 動的コンパイラ環境における実行時分岐予測情報の収集とそれを用いた最適化の手法について述べる.従来から, より高度な最適化を実現する方法として実行時情報を用いた最適化手法が研究されてきた.特に動的コンパイラを用いた実行環境では, 情報の収集とそれを利用した最適化をプログラムの同一の実行中に行うことができるために, 静的コンパイラの場合に問題となる収集した入力データと実際に実行する時点での入力データの不一致による振舞いの違いの問題を生じない利点がある.反面, 収集にかかる処理コストがそのまま実行時間に影響するとともに, 収集される情報がプログラムの実行の一部分に限定されるために, 収集される情報の量や収集時期に大きな制約がかかり, 結果として収集情報の精度低下の問題が起きる.動的コンパイラ環境においては, 近年関数間情報を用いた最適化についての研究がいくつかなされているが, 本論文ではJavaプログラムを対象として関数内分岐履歴情報の活用方法について議論する.収集量と収集時期が限定された実行時情報に基づく分岐予測の精度を, プログラム全体を通じた場合の結果と比較しながら有効利用可能な情報の収集方法について考察するとともに, 履歴情報を用いた多分岐命令の最適化手法として期待値モデルを用いた方法を提案し, その効果をいくつかのベンチマークプログラムを用いて評価した結果を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-01-15
著者
-
小松 秀昭
日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所
-
緒方 一則
日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所
-
安江 俊明
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
-
小松 秀昭
日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所
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