例外処理にともなうプログラムコード錯雑化問題を解決する構文を用いた並行例外処理の実現(<特集>マルチメディアコミュニケーションシステム)

概要

論文の詳細を見る
プログラミング言語に例外処理機構を導入する際の問題の1つに, 例外処理の記述にともなうプログラムの可読性の低下があげられる.さらに分散計算環境においては, より複雑な例外を取り扱う必要があるため, 単一の計算環境における例外処理より高度な機構を提供することがプログラミング言語に要求される.本論文の目的は, 分散計算環境に必要となる並行処理中の例外処理に適した並行例外処理モデルを提案することと, プログラムの可読性を損なわずに高い記述力を持つ例外処理構文を提案することである.分散計算環境上では複数のオブジェクトが互いに並行実行可能であるので, 同時に複数発生する例外を取り扱う必要がある.そこで, 我々の提案する並行例外処理モデルでは, そのような並行処理中に発生した複数の例外をそれぞれ個別に, あるいはいくつかまとめて1つの例外状態と見なして取り扱うという2つの方法プログラマに提供する.さらに, 我々の提案する例外処理構文を用いれば, プログラマは例外処理を通常のプログラムとは別ファイルに記述する例外ハンドラクラスとして定義することが可能である.このようにして, 例外処理の記述に起因するアプリケーションプログラムの可読性低下問題を解決するとともに, 例外処理コードそのものの再利用が可能となる.本論文では, 1つの適用例として我々が開発中の分散オブジェクト指向計算環境Juiceへの導入について述べる.
社団法人情報処理学会の論文
2002-02-15

例外処理にともなうプログラムコード錯雑化問題を解決する構文を用いた並行例外処理の実現(<特集>マルチメディアコミュニケーションシステム)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク