日本語時間表現の一解釈法

概要

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自然言語による時間表現に対して, 時間, 時点, 区間などの意味を解釈し, さらに年, 月などの属性とその数量を考慮して形式表現を決定することは, 自然言語インタフェースにおける問合せ文などの理解において, 非常に重要な課題である. この課題を解決するために, 本論文では時間表現の意味解釈を時点, 時点区間などの6種類の対象概念に, さらにそれを15種類の下位対象概念に分類する. また, 対象概念に開始, 周期などの補足的な意味情報を与える補足概念を10種類に分類する. これらの分類に従って, 時間表現に対応する形式表現を定義し, 形態素列からなる時間表現を形式表現に変換するアルゴリズムを提案する. このアルゴリズムは, 構文解析におけるshift-reduce法を改良したものである. 提案手法により, 多彩な自然言語の時間表現は意味と数量的な情報を加味した正確な式で表現できるので, その利用価値は高いものとなる. 新聞, 雑誌, 問合せ文などの約2,000の時間表現データに対して, 本手法を適用し, 正しい解釈結果が93%以上になることを実証する.
1999-09-15