密結合マルチプロセッサシステムシミュレータの開発
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概要
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処理装置群と主記憶装置群とをマトリクス・スイッチで密に結合したマルチプロセッサシステムの実用化には,高集積回路と実装技術などのテクノロジの進歩,並列処理算法や並列処理言語などのソフトウェア科学の進歩のほか,スイッチ部の構成方式,キャッシュと共有メモリの不一致解消方式,システムに適した仮想記憶方式などの方式技術を確立する必要がある.なかでもマトリクス・スイッチに多量の回路が必要なことは実用化の大きな隘路である.筆者はスイッチ装置の各主記憶インタフェース対応にキャッシュを設け,実効メモリ参照速度を向上することで主記憶インタフェースの組数を削減し,必要なスイッチの回路量を減らす方式に着目している.このキャッシュ記憶系がシステムの性能に効果的に寄与するには,処理装置のキャッシュとスイッチ装置のキャッシュとの機能分担や,処理方式,構成方式などが適切でなければならない.そのためには方式設計の段階で種々の評価に利用できるシミュレータが不可欠である.この目的にかない,実現性も高いシミュレータの基本的な特性と構成を検討した結果,機械命令の解読・実行ができ,メモリ参照単位に論理回路を模擬するシミュレータをソフトウェアで実現する方式が適当なことがわかった.本論文では上記の考察をもとに開発した密結合マルチプロセッサシステムシミュレータの原理と構成を述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-07-15
著者
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