新しい電磁場数値過渡解法Transient Green Method
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概要
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電磁場の過渡解析を行うための新しい数値解法を提案する.本手法は次の3つの概念から成る.第一は,磁場ベクトルポテンシャルの支配方程式である線型の波動方程式が調和振動子方程式に変換できること,第二は,調和振動子方程式の過渡解をGreenの手法により数値的に解くこと,第三は,状態変数を用いることによりGreenの手法による計算を高速化できることである.本手法をTransient Green Method(TGM) と呼ぶことにし,まず,その定式化を与えた.次に,TGMの数値解法としての特性を調べるために1次元問題の数値実験を行い,現在良く用いられる過渡解析法の差分法と比較した.その結果,TGMは差分法と比べて,同等の空間格子数に対し精度が,最高で100倍高く,計算格子の増加に対する真値への収束性も差分法を上回った.また,TGMは陽解法であるが,差分陽解法のような数値不安定は生じない.そして,差分法と同精度のTGM解を得るのに必要な有効計算量は差分法の計算量よりも少ない.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-08-15
著者
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阿部 博史
日本電気(株)専用lsi技本 第一lsi(事) 半導体応用技本
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速水 謙
日本電気(株)C&C情報研究所
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速水 謙
日本電気(株) C&c 情報研究所情報基礎研究部
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阿部 博史
NECラボラトリーズ生産技術研究所EMC技術センタ
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