問題と事例の分割に基づいて部分的類似例を利用する事例ベース推論方式
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概要
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エキスパートシステムの構築において知識獲得の難しさが問題になっている.その一つの原因は,経験的知識をルールや手続きに変換することの難しさにある.これに対し,過去の事例に基づいて問題を解く事例ベース推論によれば,知識の多くを事例の形で入力できるので,上記変換作業を軽減できるという期待がある本論文では,知識獲得の容易化を目的とした,事例以外の知識をできるだけ必要としない事例ベース推論方式について述べる.事例ベース推論では,問題に該当する事例がない場合のために,事例以外の問題解決知識が必要になる.そこで,問題および事例を分割し,部分問題ごとに該当する部分事例を見出し,そこから得た部分解を組み合せて全体解を求める方式により,事例以外の知識の量を削減した.ところが,多くの分野では,部分問題間の干渉のため,全体の正しさと局所的正しさが一致しないそのため,事例が全体として正しくても,その中の利用部分が正しいとは限らず,利用部分が正しくても,それを複数組み合せて問題全体の正解が得られるとは限らない.そこで,部分問題間の干渉について,現在の問題解決で起こるものと,事例の解決過程で起こったものを解析することにより,問題と事例の適切な分割を求める方式を開発した.本方式を用いて計算機室レイアウトシステムを開発し,ルール型推論を用いた同機能のシステムとの知識の比較により,知識獲得容易化の見通しを得た.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-05-15
著者
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