ビジネス向けマルチプロセッササーバにおけるウイークリィオーダメモリモデルの設計と評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ビジネス向けマルチプロセッサを対象に,ウイークリィオーダモデルを効率よく実装するキャッシュ一致保証方式の提案と評価を行った.ビジネス向けトランザクション処理では,OS共有データのピンポン現象やタスク競合に起因するキャッシュミスが性能低下の大きな要因となっており,ウイークリィオーダモデルを活用したメモリアクセスのパイプライン化やレイテンシ隠蔽が重要な課題である.本論文では,代表的なキャッシュ制御方式であるライト無効化方式とライト更新方式それぞれを対象に考察した.ライト無効化方式では,ストアミスのみを登録するストアミスバッファとノンブロッキングキャッシュを組み合わせることによって,複数のキャッシュミス処理をパイプライン処理する方式を提案した.また,ライト更新方式では,ブロードキャスト処理を一定期間遅延させることによって,複数のブロードキャストをまとめて処理する遅延ブロードキャスト方式を提案した.OS処理やタスクスイッチの影響も含めて評価できるシュミレーションを構築し,性能評価を行った.その結果,ストロングオーダモデルに比較して,ストアミスバッファ方式,キャッシュミス処理の並列化が可能となり,4.8〜10.3%の性能向上が得られることを明らかにした.また,遅延ブロードキャスト方式では,ブロードキャスト頻度を半減でき,9.0〜24.7%の性能向上を達成できることを明らかにした.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-08-15
著者
-
森岡 道雄
株式会社日立製作所オートモーティブシステムグループCIS事業部
-
中三川 哲明
(株)日立製作所日立研究所
-
石川 佐孝
(株)日立製作所オフィスシステム事業部
-
中三川 哲明
株式会社日立製作所日立研究所
-
森岡 道雄
(株)日立製作所 日立研究所
-
黒澤 憲一
(株)日立製作所 日立研究所
-
黒沢 憲一
(株)日立製作所日立研究所第8部
-
黒澤 憲一
日立製作所日立研究所
-
森岡 道雄
(株)日立製作所 オートモティブシステムグループ
-
森岡 道雄
日立製作所新事業推進本部
-
森岡 道雄
日立 日立研
関連論文
- 道路の接続性を保障したテレマティクスサービスのための地図差分更新方式(地図情報サービス,次世代社会基盤をもたらす高度交通システムとモバイル通信システム)
- エレベータの知能群管理方式 : その1: 呼び割当て論理
- オフボードナビゲーションシステムの開発
- オープンシステム指向フォールトトレラントサーバの開発
- 高性能フォールトトレラント計算機用プロセッサ多重化方式
- 高速内蔵型PrologプロセッサIPPの設計
- エレベータの知能群管理方式 : その2:学習論理
- 遠隔監視向け端末のためのブロック型アーキテクチャの提案と評価
- バス結合型マルチプロセッサ用キャッシュ一致保証方式の性能評価
- Prologの最適化方式
- 分散メモリ型マルチプロセッサ用キャッシュ一致保証方式の設計と評価(新世代データベース技術 : インターネット・マルチメディア・モーバイルを中心として)
- ビジネス向けマルチプロセッササーバにおけるウイークリィオーダメモリモデルの設計と評価
- 汎用エキスパートシステムの高速化技術(III) : 性能評価と分析
- 汎用エキスパートシステムの高速化技術(II) : 推論方式
- 汎用エキスパートシステムの高速化技術(I) : 開発構想
- モード情報を用いたシャローバックトラックの高速化方式
- 内蔵型PrologプロセッサIPPの最適化コンパイル方式の提案と性能評価
- Prolog最適化コンパイラの開発(VII) : 大域最適化コンパイル方式
- Prolog最適化コンパイラの開発(VI) : 大域最適化評価と高速リスト処理命令の提案
- Prolog最適化コンパイラの開発(V) : 構造体のハッシング方式と動的評価
- テレマティクスサービスの始動と今後の展開 (特集 身近になってきたITSと今後の展開)
- コンパイル型プロダクションシステムの高速処理方式
- 分散メモリ型マルチプロセッサ用キャッシュ一致保証方式の提案と評価