(20)トマトから分離されたVerticillium dahliae race 1および2菌株の病原性について

概要

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北海道および愛知県でトマトから分離されたVerticillium dahliae菌株の病原性を接種試験により検討した.半身萎凋病菌抵抗性トマトからの分離株は,ナス,トマト,メロンに対し強い病原性を示し,ピーマン,ハクサイに対する病原性がほとんど認められなかったことから,系統はトマト系であると考えられた.また,感受性品種「ポンテローザ」および抵抗性品種「桃太郎」に病原性を示したことからV.dahliae race2であると判断された.しかし,トマトに対する病原性ではrace1株とrace2株には違いが認められ,「ポンテローザ」に対する病原性はrace1株がrace2株より強かった.「桃太郎」に対する病原性についてはrace2株が明らかにrace1株より強かったものの,race1株も葉先の黄化や生育不良など弱い病原性が認められた.接種した「桃太郎」地際部茎からの分離試験ではrace2株,race1株ともに分離された.これらのことは,欧米で従来から報告のあった結果と合致した.
2003-02-25