(3)ごぼう黒条病菌(Itersonilia perplexans)の二形性と病原性
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概要
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Itersonilia perplexansは糸状菌として扱われることが多いが,しばしばその形態は酵母に変換する二形性(Dimorphism)を示す.そこでゴボウ黒条病菌であるItersonilia perplexans菌株(糸状菌株)を用いて,酵母への二形性変換を調査した.北海道の各地から分離したゴボウ黒条病菌88菌株のうち,29菌株(31.8%)は酵母へ形態を変換するのが認められた.酵母株はその形態を酵母に留めるもの(Y型)と酵母細胞から菌糸を再生するもの(Y-H型)があった.再生した菌糸には不完全なクランプ(Pseudoclamp)が認められた.Y型酵母32菌株およびY-H型酵母10菌株を用いて,ゴボウに対する病原性を調べたところ,Y-H型菌株はすべてゴボウに病原性を示したが,Y型菌株は病原性がなかった.Y-H型菌株間でゴボウヘの病原力に差異が認められ,これら菌株の射出胞子形成量を調べたところ,形成量が多い菌株ほど病原力が強い傾向があり,射出胞子形成能が菌株の病原力に大きく関与していることが示唆された.
- 2003-02-25
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