(84)拮抗細菌CAB-02のイネ種子上における増殖と,イネもみ枯細菌病菌,苗立枯細菌病菌に対する増殖抑制効果
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概要
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演者らは先に拮抗細菌CAB-02を処理したイネ種子を播種2日後に観察したところ,CAB-02がイネ種子の周辺土壌に多数存在することを確認した.また,CAB-02をイネ種子に処理することによって,イネもみ枯細菌病菌,苗立枯細菌病菌の育苗培土中の増加が抑制されることを報告した.もみ枯細菌病および苗立枯細菌病の激発条件下において,CAB-02による病原細菌の種子表面における増殖抑制効果が観察されたため,今回はイネ種子におけるCAB-02の増殖を調査した.イネ種子は催芽時に10^8cfu/mlのCAB-024懸濁液に浸漬処理し,イネ種子全体および胚におけるCAB-02の菌数を調べた.播種後1日で,種子では5×10^6cfu,胚には10^8cfuのCAB-02が存在していた.また,イネ種子上および胚上におけるもみ枯細菌病菌の増殖を調べたところ,CAB-02処理した種子および胚では,無処理に比べて菌数が抑制されていた.苗立枯細菌病菌についても,同様の菌数抑制効果が認められた.以上よりCAB-02はイネ種子表面にも存在し,もみ枯細菌病菌および苗立枯細菌病菌の増殖を抑えることによって,発病を抑制している可能性が示唆された.
- 2003-02-25
著者
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