(43)トマト褐色根腐病菌(Pyrenochaeta lycopersici) Type1,Type2A及びType2Bの生育適温・発病適温と,岐阜県内におけるそれらの分布
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概要
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Pyrenochaeta lycopersiciは,菌叢の形態,菌糸伸長速度,病原性,rDNA-ITS領域の塩基配列から二つのタイプ(Type 1,Type 2)に分類されることは既に報告した.一方,RAPD解析を行ったところ,Type 2の菌株はさらに二つのサブグループ(Type 2A,Type 2B)に分けられることが明らかとなった.Type 1,Type 2A及びType 2Bの10〜35℃における菌糸伸長速度は,10〜15℃ではType 2B>Type 2A>Type1,20〜25℃ではType 2A>Type 2B>Type 1,28〜35℃ではType 1>Type 2A>Type 2Bとなった.各タイプの発病適温は,Type 1が20-25℃であったのに対し,Type 2A,Type 2Bはいずれも15〜20℃であった.Type 1,Type 2A及びType 2Bの岐阜県内での分布を見ると,飛騨地方から分離された全ての菌株はType 2Bであったのに対し,西濃地方においてはType 1のみが検出された.一方,東濃地方では3つのタイプ全てが混在していた.西濃地方と飛騨地方では年平均気温に5℃程度の差があり,東濃地方はその中間に位置することから,病原菌の各タイプの分布と温度との間に何らかの関連があることが示唆された.
- 2003-02-25
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