(31)白紋羽病菌におけるReovirus様の多文節二本鎖RNAからなる病原力低下因子
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概要
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これまでに白紋羽病菌w370菌株より検出されたReoviridaeに属する多分節二本鎖RNA(dsRNA)が病原力低下作用を示すことを報告した(荒川ら,2001;Osaki et al.,2002).w370と同様のdsRNAバンドパターンを示す菌株が佐賀・広島・茨城県のナシ圃場から新たに6菌株見出された.これらのdsRNA全ゲノムをラベリングしたノーザン解析においても相同性を示した.さらに,w370の塩基配列情報を元にプライマーを設計し,RT-PCRによって増幅された産物の塩基配列を用いて,系統解析を行ったところ,dsRNAは地域ごとにクラスターを形成した.各菌株について単菌糸分離を行い,それぞれのdsRNAをフリー化させた菌株を作製して病原力を評価したところ,4菌株由来のdsRNAは病原力低下作用を示したが,2菌株由来のdsRNAは病原力に影響を及ぼさなかった.これら多分節dsRNAは同種に相当すると考えられ,日本各地に広く存在していることが示唆されたが,それぞれのdsRNAの白紋羽病菌への影響は異なっており,これらを比較することにより病原力低下機構の解明が期待される.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
中村 仁
果樹研
-
大崎 秀樹
近中四農研
-
池田 健一
神戸大院農
-
大津 善弘
果樹試
-
大崎 秀樹
果樹試
-
松本 直幸
農業環境技術研究所
-
松本 直幸
農環研
-
池田 健一
農環研
-
中村 仁
農環研
-
Wei Chuan
果樹試
-
荒川 征夫
名城大
-
魏 傅剣
(独)農業環境技術研究所生物環境安全部
-
荒川 征夫
名城大農
-
中村 仁
独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所
-
魏 傅剣
果樹試
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