(30)紫紋羽病菌MCGにおける圃場内分布域の拡大と病原力との関係
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概要
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リンゴ園およびユリノキ植栽林では,紫紋羽病菌,Helicobasidium mompaの特定のMCG(Mycelial Compatibility Group)がパッチ状に大きな分布域を示し,これらのみが数年後さらに大きく進展していたことを報告した(中村ら,2001).今回,新たに茨城県のクワ園における個体群構造の経年変化を調査したところ,クワ園においても大きな分布域を示すMCGが存在し,それらは2年後さらに大きく進展していた.次に,上記の3調査地で認められた各MCGに属する菌株を用いて接種試験を行い,MCGの分布域の大きさと病原力との関係について調べた.1MCG当たり1-3菌株をリンゴ台木苗に接種した結果,大きな分布域を示すMCGは相対的に強い病原力を示し,一方分布域の小さなMCGの病原力は強弱様々であった.また接種苗根上での菌糸塊形成頻度と病原力との間には正の相関が認められた.以上から,MCGの病原力は各調査地内での各MCGの分布域の大きさあるいは進展程度を決定する要困の1つであると判断された.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
中村 仁
果樹研
-
池田 健一
神戸大院農
-
松本 直幸
農業環境技術研究所
-
松本 直幸
農環研
-
池田 健一
生研機構
-
中村 仁
生研機構
-
植竹 ゆかり
生研機構
-
中村 仁
独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所
-
植竹 ゆかり
生研機構:(現)guelph Univ
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