モンゴル国遊牧民の草原利用と家畜生産
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本調査は,1998年から2000年にわたる3年間において,ウランバートル郊外とこれより約400km先の北部,東部などの地域における草地の生育状態と家畜の飼育状況について調査し,近年のモンゴル遊牧民の放牧方法と家畜生産を探った。その結果,社会主義体制時代までの遊牧民は放牧家畜の扱い方において,経験的調節と優れた視力などによる伝統的放牧方法で継承し,安定した家畜生産を行っていたと思われるが,市場経済体制の転換により,自由な放牧利用の過放牧が草原の牧養力を低下させ,冬季6〜7カ月間で飼育家畜の体重が激減し,さらに旱魃,雪害が加わるとこれまでにない多くの家畜を斃死させていることが判明した。したがって今後は小麦の麦稈サイレージの調製,備蓄草地の適正利用方法とこれらの運搬に伴う道路整備,通信方法などのインフラの開発を行い,モンゴル全地域における冬季の飼料確保を検討する必要があると思われた。
- 東京農業大学の論文
著者
関連論文
- 乳用緬羊フライスランド種の乳量と乳成分
- マイワシ(Sardcnops melanostica)各部位から調製したリン脂質混合物の脂質組成
- マイワシ(Sardcnops melanostica)からリン脂質混合物の分離
- 家畜糞尿を材料としたバイオガスプラントから排出される廃棄物の堆肥化に関する基礎的研究
- 有機性廃棄物の混合堆肥化に関する基礎的研究,特に生ごみを中心として
- 冷涼多雨地における数種ズッキ-ニ(Cucurbita pepo L.)の生育並びに生産特性
- 尿侵入土壌に生育するリードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)のカチオン吸収に及ぼす代謝阻害剤の影響
- リ-ドカナリ-グラス(Phalaris arundinacea L.)の生育段階と乳牛による嗜好性
- 数種リ-ドカナリ-グラス(Phalaris arundinacea L.)品種の生産性の比較
- 高冷多雨地におけるズッキ-ニの品種別生育状況
- マッシュルーム(Agaricus bisporus SING)石付の化学成分とそのサイレージ調製
- リードカナリーグラス(Phalarisarundinacea L.)における低アルカロイド品種の生育特性と乾物生産との関係
- リ-ドカナリ-グラスの生育期間中における品種別,時期別,ならびに部位別のアルカロイド含量の変化
- 北海道で栽培した寒地型イネ科牧草における粗蛋白質,ADFおよび可溶性糖頬(WSC)含量の生育ステージ別,刈取り回次別変化
- サイレージの硝酸態窒素の消長に関する研究 : VIII.埋蔵温度が硝酸態窒素の消失におよぼす影響
- サイレージの硝酸態窒素の消長に関する研究 : VII.硝酸態窒素の消失と微生物相との関係について
- サイレージの硝酸態窒素の消長に関する研究 : VI.硝酸還元菌の培養条件について
- 若齢水牛(Swamp buffalo)の生長と粗飼料の消化性について
- サイレージの硝酸態窒素の消長に関する研究 : V.材料の水分含量が硝酸態窒素の消失におよぼす影響
- サイレージの硝酸態窒素の消長に関する研究 : IV.牧草抽出液における硝酸態窒素の消失におよぼすpHの影響について
- (6)草地利用と草の貯蔵 : Section 5.Grassland Utilization Section 6.Techniques and Forage Conservation and Storage(第12回国際草地会議報告)
- 8-5 家畜生糞の多量施用に関する研究 : 第2報 連続多量施用にともなう土壌の理化学性の変化(畑・草地・園地土壌の肥沃度)
- 8-4 家畜生糞の多量施用に関する研究 : 第1報 連続多量施用の方法とデントコーンの生育収量(畑・草地・園地土壌の肥沃度)
- モンゴル国遊牧民の草原利用と家畜生産
- 3-33 モンゴル国遊牧民の草原利用と家畜生産の現状
- リ-ドカナリ-グラス(Phalaris arundinacea L.)の利用法の改善に関する研究-1-リ-ドカナリ-グラスの生育習性と草質との関係