体育科の学習-指導過程に関する研究 : 認知構造の規定要因について

概要

論文の詳細を見る
本研究は，学習者のスポーツに対する固有の認知構造の形成に，どのような要因が連関をもってくるのかを明らかにすることを目的とする。上記目的に至るために，本学の体育実技（陸上運動）受講生151人を対象に，調査・測定を行なった。その結果次のようなことが明かとなった。学習者の陸上運動に対する認知構造と密接な関係にあるのは，体育授業に対する一般的知覚及び，その知覚の形成時期であり，相対的な技能レベルと認知構造との間には，意味のある関係はほとんどみられないことが分かった。この結果から，本来，学習者は技能の高低という学習者の外から眺めた固定観念に拘束されることなく，スポーツの本質価値実現に向かう存在であることが改めて確認できた。また，認知構造の分析結果から，学習者を協和的な認知構造を有する者と，不協和的な認知構造を有する者の二つのタイプに識別して捉えたが，それぞれの学習者の一般像は次のように把握できることが分かった。前者は，「体育の授業は自ら行なう爽快なものである」という知覚を小学校期に形成・定着している者，後者は，「体育の授業は外圧の強制によるもの」という知覚を，中学－高校期に形成している者である。この結果は，学習者の主体的なスポーツの本質的価値実現という体育授業の方向性が学習者の各発達段階を通じ，一貫して重要となってくることを示唆するものといえる。今回の研究は，陸上運動に焦点を当てたが，導出された結果がどのようなスポーツにも一般化し得るものかどうかが問題となる。また，特定の発達段階の学習者（例えば小学校高学年）を対象としたとき，そこではさらに，どのような問題が派生するのか等について，今後解決されるべき課題を残すことになった。This thesis deals with the learning process of physical education.We investigate on the hypothesis that cognitive sturacture depend on relative sport performance.This study leaves much to be further discussed,but we can get some featured results as follows:We find that Cognitive sturacture independ on relative sport performance,and the primary factor that have a effect on cognitive structure are sense of physical educatuin and the chapter of make a sense of physical education.According to the above results,at first educators have to consider how to arouse student's positive attitude toward physical education.
大阪教育大学の論文

体育科の学習-指導過程に関する研究 : 認知構造の規定要因について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク