小児気管支喘息の施設入院療法 : その過程に及ぼす因子について
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概要
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施設入院療法を受けたいわゆる難治性喘息児を, 入所中の経過から, 無発作群, 発作頻発群, ステロイド剤使用群に分け, 入所中の経過に及ぼす因子について検討した.無発作群に女児が多く, ステロイド剤使用群に2才未満の発症のものが多く, 血清IgE値が低値を示すものが多かった.アセチルコリン吸入による気道過敏性試験では, 無発作群と発作頻発群とで有意の差はなかった.入所中2回のアセチルコリン吸入テストでは, 1年間の成長による改善はみられなかった.入所中低下していた気道過敏性は, 退所後, 無発作群, 発作頻発群ともに有意に増強していた.入所中低下していた気道過敏性を退所後もいかにして持続させるかが今後の課題である.P-F studyでは, ステロイド剤使用群に依存欲求の表現が抑えられ, 無罰傾向が強く, 社会適応性が高いものが多い傾向がみられた.これは日常診療の場での印象とほぼ一致し, このような傾向の有無は, 入所後の経過の予測の参考になると思われた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1980-03-30
著者
-
永田 頌史
九州大学心療内科
-
井上 貞久
九大心療内科
-
吾郷 晋浩
九州大学心療内科
-
井上 貞久
九州大学心療内科
-
新田 由規子
福岡県立遠賀病院
-
新田 由規子
福岡市立少年保養所
-
中島 文雄
福岡市立少年保養所
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