小児監視喘息の施設入院療法(II) : 退所後の経過について
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概要
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施設入所療法を受けたいわゆる難治性喘息児62名に, 退所後の経過に関するアンケート調査を行い, 47名の回答を得, そのうち37名には臨床検査および心理テストを実施した.退所後の経過により, I群(退所後, ほとんど発作がなく, 喘息薬の常用を必要としていないもの)17名(36.1%), II群(入所前よりも発作は減少-軽快しているが, 喘息薬の吸入や内服, 静注や点滴を必要としているもの)20名(42.6%), III群(発作の予防および治療にステロイド剤を必要としているもの, および入所前と変わらず発作が頻発しているもの)10名(21.3%)に分けた.性別, 発症年令, アレルギー家族歴, アレルゲン皮内テスト陽性数, 血清IgE値では, 各群間に有意差はなかった.入所中無発作で過ごしたものはII・III群よりもI群に多く, 入所中ステロイド剤を使用したものはI群よりもIII群に多かった.しかし, 入所前にステロイド剤を使用していたものは各群間に差はなかった.アセチルコリン吸入による気道過敏性試験では, I群とII群との間に有意差はなく, ともに入所中に比べ閾値が低下していたが, その低下率はII群に著明であった.P-F studyでは, 各群とも無罰傾向が強く, 攻撃性が抑えられていた.II群ではGCRが高く, 過剰の適応努力を払っているものが多いと考えられ, III群では内罰傾向の低いものが多かった.I群に退所後も自主的に鍛練をやっているものが多かった.
- 1982-04-30
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