NZBxNZW F_1 hybridマウスにおける自己抗体産生細胞の研究

概要

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目的:自己免疫疾患の本態解明を目的として, SLE自然発生系のNZB×NZW F_1 hybridマウスを用い, 自己抗体産生細胞の発生時期, その増殖の様相ならびに場所およびそれらと血清抗核抗体陽転時期との関係を追求した.方法:抗体産生細胞は生後2カ月から7カ月のNZB×NZW F_1 hybridマウスの脾, 胸腺, 骨髄およびリンパ節の細胞を短時間培養し, 抗体を産生させて用いた.抗原は仔ウシ胸腺のDNAおよびヒストンを用い, タンニン酸処理ヒツジ赤血球にcoatingした.反応はこの両者を試験管内で反応させ, immunocyte adherenceを位相差顕微鏡で観察し, ヒツジ赤血球が4コ以上付着した細胞を陽性細胞(自己抗体産生細胞)とした.結果:陽性細胞は, いろいろ検討した結果, 確かに抗体を産生していると考えられた.自己抗体産生細胞はほとんどリンパ球であり, 例外的に形質細胞がみとめられた.この自己抗体産生細胞は, 血清抗核抗体陽転(生後5カ月)に先だつて, 2カ月目にすでに脾で約1%前後出現していた.またこの細胞の分布はおもに脾, 胸腺, リンパ節で0.1%-4%にみられた.DD strainマウスではほとんど検出されなかつた.この自己抗体産生細胞は, 1個の細胞から発生したmonoclonalな細胞群と考えられた.
日本アレルギー学会の論文
1972-03-30