ロシア・ソビエト連邦における数学教育の史的研究(III) : ソビエト学校創設期の数学プログラムと教授法的理念

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概要

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十月社会主義革命後，新生ソビエト連邦は新しい政治的・経済的基盤のもとに社会主義学校創設への道程を進んだ。社会主義学校の一般原則の模索に始まり，コンプレックス・システム教育の実施を経て，教科目制への転換の基礎が敷かれるまでの1917－1931年の期間は，数学教育の分野でも，労働学校における数学教育の理想像を模索した時期であった。本稿では，この学校創設期にどのような数学教育が理想とされ，どのような経違をたどったかを，数学プログラムおよび教授法的理念の側面から考察する。以下では，この期の特殊性もあり初等教育を対象とし，革命直後期（1917－1920），暫定的プログラム期（1920－1923），コンプレックス・システム実施期（1923－1931）における，教育人民委員部あるいはその関係機関によって出された数学プログラムとその背景にある教授法的理念，および同時期の他の見解を考察し，それらの特殊性といくつかの問題点を浮彫りにする。
1984-10-31

著者

狭間節子
大阪教育大学

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