加齢によって膀胱体部α受容体を介する平滑筋収縮反応性は増加する
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概要
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加齢に伴い、排尿障害が増加している。加齢により、膀胱体部平滑筋のβ受容体を介する弛緩反応が低下することはすでに報告されているが、我々は、膀胱三角部のα受容体を介する収縮反応が加齢により増加することを報告した(山形医学 第22巻 第2号)。そこで本研究では、加齢による膀胱平滑筋の組織学的変化および膀胱体部平滑筋のα受容体、三角部のムスカリン受容体を介する収縮機能の変化について検討した。若齢(2〜3ヵ月齢)、老齢(27ヵ月齢)のFischer 344 ラット(♂)から膀胱を摘出し実験に用いた。組織はホルマリン固定後パラフィン切片を作製し、Elastica-Masson trichrome 染色を行い、NIH Image を用いて定量化した。その結果、膀胱体部、三角部ともに筋組織、線維組織の割合に加齢変化は認められなかった。高濃度K^+による収縮反応に加齢変化はなかった。膀胱体部において、phenylephrine による収縮反応は若齢ラットに比べ老齢ラットにおいて有意に増強した。膀胱三角部においてcarbachol による収縮の濃度-反応曲線を求めたところ、加齢変化は認められなかった。排尿障害の一因には、すでに報告されている体部β受容体を介する弛緩反応の低下に加えて、本研究で得られた体部および三角部のα受容体を介する収縮反応の増強の関与が示唆された。
- 山形大学の論文
- 2005-02-16
著者
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