正常月経周期における経目的および8時間毎採血による経時的ホルモン動態について

概要

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月経周期におけるホル主ン動態はRIAの進歩によりかなり明らかになったが,更に詳細なホルモン変動をみるため,正常周期婦人27名の経日的変勧の統計学的検討および5名について排卵期周辺の経時的ホルモン測定をし以下の成績をえた.1.血中LH,FSHの卵胞期のレベル1よ両者共黄体期より有意に高い.卵胞期を前,後期に分けると,LHレベルは前期に低く後期に高いが,FSHは前期に高く後期に低い。LH/FSHは前期に低く後期に高い.経日的測定による排卵期のLHピーク値は168.6土73.5mIU/mlであった.継時的測定ではLHピークの16〜32時間前から上昇開始して平均229.0mIU/ml(150〜320mIU/ml)のLHピークを形成し,32〜40時間後に黄体期のレベルに下降した.100mIU/ml以上の持続時間は平均19.9時間,40mIU/ml以上は平均43.5時間であった.FSHはLHピークに一致して33.2mIU/ml(16〜53mIU/ml)の小ピークを形成した,黄体期後期のLH,FSHレベルは周期中最低となるが,次周期卵胞の発育に対して,FSHは月経開始の2日前から上昇開始した.卵胞期でEstと相関が高いのはLH/FSH(r=0.5155)であり,FSHとは軽度の逆相関(r=-0.2208)があった.2.血中EstはLHピークの72〜104時間前から上昇開始し,32〜64時間前に200pg/ml以上となり,24時間前に平均474.2pg/ml(368〜684pg/ml)のピークを形成した.そして次の8時間に平均159.5pg/ml(116〜181pg/ml)下降した.3.ProgはLHピークの16〜24時間前から上昇開始し,5例中3例でLHピークに一致して1.87ng/ml(1.44〜2.18ng/ml)の小ピークを形成した.以上より卵胞期後期にFSHの下降,LHの軽度高値があり,Estは急上昇してピークを形成する.それに前後してLHおよびProgが上昇開始し,Estの低下に伴ってLHは急上昇して,その8〜16時間後にLHピークを形成することが認められた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-02-01

正常月経周期における経目的および8時間毎採血による経時的ホルモン動態について

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