正常月経周期婦人及び排卵障害婦人における血中estradiol値について
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概要
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正常月経周期婦人28名及び排卵障害婦人148名の血中estradiol (E_2)をE_2-6-oxime-BSAに対する抗体を用い,columnchromato処理後radioimmunoassayで測定し,両者のE_2値の差異について検討すると共に,血中E_2値から排卵障害婦人の病態について若干の考察を試みた. 正常月経周期婦人及び排卵障害婦人の月経周期7-14日目の間の血中E_2値を比較してみると,排卵障害婦人ではいずれも正常月経周期婦人のE_2値よりも有意に低値(p<0.001)で,無排卵周期症,第1度無月経,第2度無月経の順に低くなり,無排卵周期症と第1度無月経との間では差が認められないが,第2度無月経ではこれら両者より有意に低値を示し,第2度月経のうちでも,視床下部不全型,下垂体不全型に比して,卵巣不全型で有意に低値を示した. 正常月経周期婦人の月経周期に伴うE_2値の変動より,月経開始日からLH surge日までの間を月経期,卵胞期前期,卵胞期中期,卵胞期後期と4区分しうることが認められた.この4区分のE_2値と前記排卵障害婦人のE_2値とを比較してみると,無排卵周期症のE_2値は概ね卵胞期初期のE_2値を示し,第1度無月経では月経期又は卵胞期初期と差のない値を示すのに対し,第2度無月経では月経期より有意に低い値を示した.また,排卵障害婦人における経日的E_2値の変動をみてもほぼ同様の成績が得られた. 更に各種薬剤による排卵誘発成績ヒ血中E_2値とは関係があることを認めた.以上の成績より,血中E_2値が卵巣機能の正確なる指標になりうることを確認すると共に,排卵障害婦人の病態を内分泌学的面より検討した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-06-01
著者
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塩島 令儀
横浜市立大
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高口 二郎
市川宝クリニック
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高口 二郎
神奈川・市川宝クリニック
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植村 次雄
横浜市立大学医学部産婦人科学教室
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植村 次雄
神奈川・ふれあい横浜ホスピタル
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植村 次雄
横浜市立大
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鈴木 直行
横浜市愛児センター
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塩島 令儀
横浜市立大学医学部産婦人科
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鈴木 直行
横浜市立大学医学部産科婦人科学教室
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高口 二郎
横浜市立大
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鈴木 直行
横浜市立大学医学部産婦人科学教室
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