頚癌IV期例の治療法に関する検討
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概要
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子宮頚癌IV期症例について詳細に検討し,以下のような知見を得た. 1. 1955-1973年間に当教室で治療したIV期癌患者は196名で,全頚癌の6.5%に相当する.この頻度は1960年以降あまり減少の傾向はみられていない. 2. 平均年齢は55.7才で全頚癌平均年令より約5年高齢に偏していた. 3. 浸潤部位は膀胱が111例で最も多く,直腸浸潤は14例であつた.膀胱あるいは直腸に浸潤があるものの97%に膣壁浸潤がみられ,膣壁浸潤が下方に及ぶにつれて旁結合織への浸潤も高度となる傾向が認められた. 4. 膀胱あるいは直腸のみに浸潤のあるI群,小骨盤腔を越えて連続的に拡がつているII群,遠隔転移のあるIII群に分けると,5年治癒者はすべてI群であり,II, III群には治癒は認められなかつた.I群をIVa期,II, III群をIVb期とする細分類の妥当性が確かめられた. 5. 予後の判明している1969年までの症例は137例であり,このうち治療を完遂できたのは98例である.5年治癒例は22例で,これは全例に対して16%,治療完遂例に対しては22%に相当する. 6. 遠隔照射がX線であつた時代では小線源腔内照射の価値は極めて重要であつた.外照射に^<60>Coが用いられるようになり,治癒率の向上が認められた. 7. 放射線障害は5年治癒例にやゝ多く認められた. 以上よりIV期癌の放射線治療にあたつては,多少の副障害が出るのを覚悟の上で,過量にならぬ程度の十分線量を照射することと,癌の拡がりや性質に応じた個人化された治療計画が特に必要であることが判明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-03-01
著者
-
松山 敏剛
九州大学医学部附属統合教育研究実習センター
-
塚本 直樹
九州大学医学部産婦人科
-
西村 篤乃
九州大学医学部産婦人科学教室
-
杉森 甫
九州大学医学部産婦人科学教室
-
柏村 正道
九州大学医学部産婦人科学教室
-
柏村 賀子
九州大学医学部産婦人科学教室
-
浜崎 康夫
九州大学医学部産婦人科学教室
-
楊 輝雄
九州大学医学部産婦人科学教室
-
楊 輝雄
九州大学産婦人科
-
松山 敏剛
九州大学医学部産婦人科学教室
-
塚本 直樹
九州大学医学部婦人科産科
-
塚本 直樹
九州大学医学部婦人科学産科学教室
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