培養絨毛癌細胞におけるHLA-class Iおよびclass II抗原の発現に関する研究

概要

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絨毛癌細砲における主要組織適合性抗原(Major Histocompatibility Complex:MHC antigen)の発現について再検討した.著者らが入手可能であつた8種類の絨毛癌細胞株(非妊娠性絨毛癌由来:SCH,IMa,妊娠性絨毛癌由来:BeWo,JEG-3,JaR,GCH-1,HCCM-5,NUC-1)のHLA-class IおよびHLA-class II抗原について,家兎抗HLA ABC血清および単クローン抗体W6/32(抗HLA-A,B,C),7B6(抗HLA-classII),D1-4-10(抗HLA-DR)を用いて,螢光抗体法およびRadioimmunoassay(RIA)のinhibition testにより検討した.その結果,HLA-class II抗原はいずれの細胞株においても検出されなかつた.class I抗原は,非妊娠性絨毛癌由来の株のうち,SCH(胃原発)でかなりの程度発現されていたのに対し,IMa(卵巣原発)では検出されなかつた.一方,妊娠性絨毛癌由来の株では,JaR以外のすべての細胞株には,HLA-class I抗原が微量ながら発現されていることが明らかとなつた.しかし,JaRには検出されなかつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-01-01