婦人科領域におけるTumor-MarkerとしてのTissue-Polypeptide-Antigen(TPA)の検討
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概要
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Tissue-Polypephde-Antigen(TPA)はBjorklund et al.によつて報告された腫瘍関連抗原の一つで分子量約22,000〜45,000の単鎖ポリペプチドであり,最近,各分野で悪性腫瘍のmarkerとして検討が重ねられている.我々は今回,婦人科悪性腫瘍血清中のTPA値を測定し,又同時にTPAの組織局在を検索した.対象は子宮頚癌患者63例,卵巣癌患者26例,子宮体癌患者12例,その他の癌患者9例,計110例で,非癌患者26例,正常人20例を対照とした.TPA測定法は[chemical formula]をトレーサーとする2抗体によるRadioimmunoassay法を利用したTPA測定用Kitを使用した.又,免疫組織学的染色法は抗TPA抗体を用い,PAP法にて染色した.成績:(1)正常人血清TPA値は本法では,110u/l以下で年齢的変化,性差は特に認められない.(2)良性腫瘍患者では平均123.9u/lと正常人に比べ,殆ど上昇は認められない.(3)子宮頚癌患者血清TPA平均値は212u/lと正常人や良性腫瘍息者血清TPA平均値に比べ有意に高値を示した(p<0.01).(4)卵巣癌患者血清TPA平均値は414.7u/lと正常人,良性腫瘍患者に比ベ,子宮頚癌患者よりさらに有意に高値を示した(p<0.001).(5)治療に伴う変化では経過良好例では血清TPA値の明らかな低下傾向,不良例では明らかな上昇傾向を示した.(6)TPAは婦人科悪性腫瘍患者ではCEA,CRPと相関は殆どないが,IAP(Immunosuppressive-Acidic Protein)とは相関が認められる(r=0.617).(7)組織局在ではTPAは癌細胞組織において,強い局在を示すが,子宮頚部,体部の正常組織においては殆ど局在を示さない.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
著者
-
秋谷 清
子宮癌登録委員会
-
根岸 能之
東京医科大学産婦人科学教室
-
中島 裕史
東京医科大学産婦人科教室
-
秋谷 清
東京医科大学産婦人科
-
根岸 能之
東京医大
-
根岸 能之
東京医科大学 産婦人科
-
池畑 信正
東京医科大学霞ヶ浦病院産婦人科
-
池畑 信正
東京医大
-
池畑 信正
東京医科大学霞ヶ浦病院 産婦人科
-
平田 貴夫
東京医大
-
平田 貴夫
東京医科大学産科婦人科学教室
-
乗杉 輝彦
東京医大
-
小林 一彦
東京医大
-
小林 一彦
東京医科大学産婦人科学教室
-
宇都宮 篤司
東京医科大学産婦人科
-
乗杉 輝彦
東京医科大学産婦人科教室
-
古野 健児
東京医科大学産婦人科教室
-
古野 健児
東京医大
-
根岸 能之
東京医科大学
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